2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22K19356
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
大塚 稔久 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (40401806)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | 有芯小胞 / シナプス / 光ツール / ELKS |
Outline of Annual Research Achievements |
有芯小胞の分泌を司る細胞内制御機構は、細胞内シグナル伝達に大きく依存している。このため、本研究では神経シナプスにおけるシグナル制御の介入ツールを開発した。セカンドメッセンジャーcAMPを合成するバクテリアの酵素であるbPACは、基底活性が高く、操作性に難があるため、基底活性の低い変異体(S27A)を作製した。さらに、軸索末端に局在するタグを開発し、神経伝達および神経可塑性における光依存的機能を評価した。その結果、光依存的な小胞の分泌促進および神経可塑性の誘導が観察された。また、細胞内カルシウムイオンの濃度および細胞膜組成を操作するため、ホスホリパーゼCを光刺激で活性化するopto-PLCβを世界に先駆けて開発した。このツールを用いることで、膜編集による脂質ダイナミクスの可視化、シナプス可塑性の長期増強、恐怖記憶の増強が誘導できることが実証された。 一方、有芯小胞マーカーであるchromogranin Bの挙動をモニターするためにpH感受性緑色蛍光タンパク質を用いると、光操作ツールの励起波長が重複する問題があった。この問題を解決するために、赤色pH感受性蛍光タンパク質pHmScarletを融合しましたが、このタンパク質は凝集塊を形成しやすく、シナプス小胞への局在が稀であるため、今後の課題となっている。この難点を解決するためには、赤外線領域で作動する光操作ツールの開発が望ましい。
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Research Products
(8 results)