2023 Fiscal Year Annual Research Report
MHC発現調節による抗原提示能の人為的操作技術の開発
Project/Area Number |
22K19415
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
畠山 鎮次 北海道大学, 医学研究院, 教授 (70294973)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | ユビキチン / MHC / 自己免疫疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
ユビキチン-プロテアソーム系やオートファジーや分子シャペロン系は抗原タンパク質の産生に重要な細胞内タンパク質分解システムである。細胞内タンパク質の多くはユビキチン-プロテアソーム系で分解され、小胞体経由でMHCクラスI上に抗原ペプチドとして提示される。また小胞体品質管理機構で認識された膜タンパク質等はVCP/p97の作用で細胞質内に引きずり出され、ユビキチン-プロテアソーム系で分解され、抗原提示される。また、オートファジーシステムによりバルクの分解を受けたペプチド抗原は、小胞体に入り、一部はMHCクラスII上に提示される。MHC自体の発現に関して、NLRC5やCIITAなどの転写調節システムが報告されているが、現在も不明な点が多い。本申請ではオートファジーや抗原提示に関与するTRIM型ユビキチンリガーゼを中心にE3ユビキチンリガーゼによる抗原提示制御の解明を進め、さらにその制御システムの破綻が自己免疫疾患やアレルギー疾患の発症および感染症への影響に関与するかを検討した。具体的にはsiRNAライブラリーを使ったTRIMファミリー遺伝子の網羅的ノックダウンによるMHC発現量の解析を行った。昨年度においては、TRIM22がヒトMHCクラスII抗原の発現制御に関係することを論文発表したが、今年度は、MHCクラスIIの発現量調節に関係するE3ユビキチンリガーゼFBXO11を同定し、機能解析を進め、論文発表を行った。これらのMHC発現調節分子の解析は、アレルギー疾患、自己免疫疾患及び感染症の治療において重要な知見をもたらすと考えられる。
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