2023 Fiscal Year Annual Research Report
母体の免疫寛容の分子機構の解明と自己寛容増強の新規分子の探索
Project/Area Number |
22K19430
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮崎 正輝 京都大学, 医生物学研究所, 准教授 (80403632)
|
Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
|
Keywords | 妊娠・授乳期における免疫細胞分化 / T, B細胞分化 / 免疫反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
妊娠中は、母体にとっての非自己である胎児に対する拒絶反応が抑制されており、これを妊娠による免疫寛容と呼ぶ。特に、妊娠期ではT細胞を産生する胸腺が萎縮し、ナイーブ T細胞の産生が顕著に低下するが、その生物学的意義や詳細な分子機構は未解明である。一方で、妊娠期には母体のIgG抗体が胎盤を通って胎児に移行し、出生後の感染抵抗力として機能していたり、またワクチンによる免疫応答・抗体産生能は保持されていることからも、母体は単純な免疫抑制状態とは言えない。つまり、妊娠による免疫寛容とは一体何なのか?、実はよくわかっていない。 現在のコロナ禍の状況において、妊娠・授乳期でのワクチン接種や感染抵抗性が社会的問題になっていることからも、妊娠・出産というライフイベントにおける免疫機能の変化を検証することは社会的意義が大きい。そこで、本研究課題では、“妊娠・ 授乳期でのT, B細胞の分化や免疫応答の変動による免疫寛容の本態の解明し、そこから自己に対する免疫寛容の新しい機序を見つけ出す。 そこでC57BL/6野生型マウスを用いて、妊娠期と授乳期でのリンパ球分化、特に骨髄のB細胞分化に焦点を絞って解析を行う。年齢などの影響を除外するため、同腹の雌マウスを用いて体外受精を行い、妊娠・出産時期も同期させた。出産後2週の授乳期のメスマウスを用いて、骨髄のB前駆細胞をソーティングで抽出し、RNA-seqにより遺伝子発現解析を行った。
|
Research Products
(3 results)