2022 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of molecular mechanism for IgG levels regulated by L-fucose
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22K19443
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Research Institution | Tohoku Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
顧 建国 東北医科薬科大学, 薬学部, 教授 (40260369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 伸一郎 東北医科薬科大学, 医学部, 教授 (40375069)
中の 三弥子 広島大学, 統合生命科学研究科(先), 准教授 (40397724)
福田 友彦 東北医科薬科大学, 薬学部, 准教授 (40433510)
下平 秀樹 東北医科薬科大学, 医学部, 教授 (70373214)
山口 芳樹 東北医科薬科大学, 薬学部, 教授 (90323451)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 糖鎖 / 免疫グロブリンG / Fut8 |
Outline of Annual Research Achievements |
免疫グロブリンG (IgG)抗体は、侵入する病原体や異物に対する防御に不可欠である。これまでの研究によって、IgG上の糖鎖構造の違いは、IgGの機能(質)に大きな影響を与えることが明らかになりつつある。その代表的な糖鎖構造としてフコース転移酵素(Fut8)によるコアフコース修飾(コアフコシル化)が挙げられる。IgGのコアフコースを除去すると、ADCC活性が50倍以上に上昇することや、IgGとFc受容体(FcγR)との親和性が亢進することが示されている。申請者らは、Fut8ヘテロ欠損(Fut8+/-)マウスの血清IgGの量が野生型マウスに比べて有意に低下することや、そのFut8ヘテロマウスにL-fucoseを経口投与することでIgGの量が投与量依存的に増加することを見出した。更に、申請者らは、オボアルブミン(OVA)を抗原としてマウスに免疫し、その後OVA抗原を認識するIgGの産生量を測定した。その結果、野生型マウスよりFut8ヘテロマウスのIgG抗体産生量が明らかに低下していることを明らかにした。面白いことに、その低下はL-fucoseの経口投与で改善された。一方、L-fucoseの投与によって脾臓を含む多く臓器にコアフコシル化の増加がLCAなどのレクチンで確認された。また、L-fucoseの投与は、IgGの保護に機能する胎児性Fc受容体(FcRn)の発現に影響を与えないことも明らかにしている。現在、IgG上に付加されている糖鎖構造及びL-fucoseの投与によるIgGの増加に関わる分子機序を解析している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予想していた結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、L-fucose投与によるIgGのコアフコシル化と量の制御機構を解明するとともに、抗体医療や全身性エリテマトーデス(SLE)を含めた様々な疾患の新規診断・治療法の開発に貢献することを目指す。その目標を達成するため、今年度は以下の3点を検討する。 1)IgG上に付加されている糖鎖構造及び、Fut8+/-マウスでのIgG産生量低下の分子機序を解析する。 2)L-fucoseの経口投与によりIgGの糖鎖構造解析のみならずIgGのFc受容体上のコアフコシル化を検討する。 3)SLEなどの膠原病患者検体におけるIgG量とIgGのコアフコシル化を解析する。
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Causes of Carryover |
臨床検体を収集するため一定の時間が必要である。初年度は主に様々な患者さんの血清を集める。次年度からは血清IgGの精製や糖鎖構造解析を行い病態との関連性を解析する。それには高額の費用が必要となる。
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Research Products
(16 results)