2023 Fiscal Year Annual Research Report
Dynamics of micronuclei regulated by the cytosolic DNA sensor cGAS
Project/Area Number |
22K19467
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
北嶋 俊輔 公益財団法人がん研究会, がん研究所 細胞生物部, 研究員 (90566465)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | cGAS / リン酸化 / オートファジー |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに研究代表者は、染色体不安定性の増大に伴い微小核が形成された際に、機能不明なcGASのリン酸化が出現することを明らかにした。そこで、本研究では、微小核誘導時に出現する機能不明なリン酸化の部位の特定と機能解明を目指した。そこでまずPhostag技術を用いて、様々な実験条件下でのリン酸化cGASの誘導効率を解析し、標的となるcGASのリン酸化を効率よく誘導できる阻害薬の処理条件の設定、使用するがん細胞株などを検討した。その結果、肺がん細胞NCI-H1944株を紡錘体チェックポイントキナーゼMonopolar Spindle 1(MPS1)阻害剤BAY-1217389で処理した際に、微小核形成とともに効率よく新規cGASリン酸化を誘導できることを明らかにした。そこでcGASのC末端にFlagタグを挿入したcGASを発現するNCI-H1944細胞を作製し、免疫沈降によりcGASタンパク質を濃縮した後、リン酸化プロテオームによりリン酸化部位の特定を目指した。一方で、リン酸化部位を同定するためには、一定量以上のcGASタンパク質を免疫沈降法により回収することが必須である。今回、免疫沈降およびゲル電気泳動後に抽出したcGASタンパク質の量では、技術的に信頼性の高いリン酸化プロテオームの結果を得ることができなかった。そこで、現在、免疫沈降後のタンパク質溶出液から抗体を分離させcGASのみを溶出する実験的手法を確立し、収量を上げることを目指している。今後、リン酸化プロテオームによりリン酸化部位を特定し、特定したリン酸化部位のアミノ酸変異型cGASを作製し、細胞に導入する予定である。これにより、標的とするcGASのリン酸化が微小核の形成やcGASの動態、さらにその下流シグナルである抗ウイルス応答/抗腫瘍免疫経路にどのような影響を与えるかを解析する予定である。
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