2023 Fiscal Year Research-status Report
Metagenomic analysis of tissues and body fluids in neonatal hepatitis and encephalitis
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22K19494
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
武内 俊樹 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (60383741)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 新生児 / 遺伝子解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々が構築した重症新生児の遺伝子解析のための次世代シーケンスデータ専用集積回路および人工知能を用いた超高速解析系の解析パイプラインについて、実際の症例を用いて実行可能性の検証を行った。対象は原因不明の肝炎により肝不全に陥り、肝臓移植が予定されていた新生児期発症の患者とした。通常診療で行われる検査の結果から、肝炎・肝不全の原因の特定が困難であった症例に対し、更なる原因検索のための精査を行うことを目的とした。研究参加の方法は、患児が入院する医療機関主治医同席のもと、遠隔カウンセリングの方法を用いて親権者からの同意を取得、その後、本人および両親の末梢血を採取し、DNAを抽出した。診断手順として、まず肝不全をきたす既知の生殖細胞系列の遺伝性疾患でないかを確認するために、検体を用いた短鎖型次世代シーケンサーによる網羅的遺伝子解析を行った。さらに、肝移植の際に肝臓組織の残余検体の提供を受けることができたことから、肝臓組織からDNAおよびRNAを抽出し、末梢血から得られた配列との比較により病的バリアントの検出を試みた。我々の独自のパイプラインを使用し、胚細胞系列だけでなく体細胞の病的なバリアントについて検索をおこなった。既知のドライバー遺伝子のバリアントのみならず、CNVや既知のリピート、更にウイルス等の既知の病原体に関しても、我々独自のパイプラインを使用することにより解析を行ったが、肝不全を説明し得る原因と考えられる病的変化は指摘できなかった。今回は最終原因診断には至らなかったものの、末梢血、体細胞を使用し、DNA、RNAを使用し、点変異のみならず、CNV、既知のリピートなど網羅的に解析を行うことが可能なパイプラインの実行の可能性については確認することができた。また、人工知能を用いた超高速解析系の解析パイプラインにより、見落としの少ない解析を行うことが可能となったことが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実際の患者検体を用いて実行可能性を検証できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
患者数を増やし重症新生児の原因診断の仕組みに向けて研究を推進する。
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Causes of Carryover |
予算よりも少ない額で研究を遂行できたため、次年度に合算して使用する
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