2023 Fiscal Year Annual Research Report
遠位型遺伝性運動ニューロパチー7型の病態解明と病態抑止療法の開発
Project/Area Number |
22K19506
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
井口 洋平 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (80790659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝野 雅央 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (50402566)
佐橋 健太郎 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (90710103)
横井 聡 名古屋大学, 医学系研究科, 特任助教 (30815460)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | 遠位型遺伝性運動ニューロパチー / SLC5A7 |
Outline of Annual Research Achievements |
遠位型遺伝性運動ニューロパチー(dHMN) は四肢遠位優位の下位運動ニューロン障害による筋萎縮を進行性に認める遺伝性疾患で、dHMN-Ⅶは声帯麻痺を伴う常染色体優性 (AD) の遠位型運動ニューロパチーとして分類されている。研究代表者らは若年発症で四肢遠位筋優位に進行性の筋力低下と四肢腱反射亢進を認める家系の遺伝子解析からSLC5A7のC末端の新規欠失変異 (F502fs10; 以下SLC5A7fs)を同定した。SLC5A7はコリントランスポーター(CHT)をコードする遺伝子でありコリン作動性ニューロンに特異的に発現する。昨年度はSLC5A7fsの細胞内輸送障害を確認し、Slc5a7fsノックイン(Slc5a7KI)マウスを作成した。 本年度はSLC5A7fsが細胞内局在異常を来す原因をin vitroで検証した。欠失長の異なる複数のSLC5A7変異体を作成しNeuro2a細胞に発現させたところ、C末端におけるendocytic motif内の特定の配列がSLC5A7の細胞内輸送に影響することが判明した。また、Slc5a7KIヘテロ・ホモマウスの運動解析を行なった。握力測定、wire hanging testを行いSlc5a7KIヘテロマウスに進行性の運動障害を観察した。Slc5a7KIホモマウスに関しては解析を開始した10週齢より有意な運動障害を認め、週齢を経る毎に進行が観察された。病理学的に検証するとSlc5a7KIホモマウスの腰髄前根に軸索変性像、神経筋接合部の形態異常を認めた。Slc5a7KIヘテロマウスに関しては前根に有意な軸索変性像は認めなかったが、神経筋接合部においてCHTの発現が有意に低下していた。Slc5a7KIヘテロマウスの脊髄前角の運動ニューロンではCHTの明らかな発現低下は認めなかった。
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Research Products
(8 results)