2022 Fiscal Year Research-status Report
尿中細胞の深層学習・画像解析による腎疾患早期診断方法の開発
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22K19511
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
林 香 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (60445294)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 裕 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (40252457)
菱川 彰人 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (50867489)
楠本 大 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (70571727)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 慢性腎臓病 / 尿中赤血球 / Deep learning |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、畳み込みニューラルネットワークを用いた画像解析により、尿中の細胞成分を認識し、1)糸球体疾患を示唆する変形赤血球の質的診断、2)腎疾患の活動性を示唆する尿中ポドサイトの認識を目指す。更に3)臨床データ・腎生検組織標本との統合的解析を行う。2022年度は、変形赤血球の質的診断を目指して研究を開始した。 血尿を認めた場合、尿沈渣の観察により、出血部位が腎糸球体(糸球体性血尿)か糸球体以外の部位によるものか(非糸球体性血尿)を鑑別することができる。糸球体性血尿では、赤血球が糸球体基底膜を通過する際の機械的損傷や尿細管を通過する際の急激な浸透圧変化などで変形し、変形赤血球(dysmorphic RBC)となる。本研究では顕微鏡的血尿を指摘され、腎臓内科外来に通院中、腎生検目的に検査入院した症例から尿検体を採取し検討する。尿沈渣標本を作成後、専門の臨床検査技師により変形赤血球(dysmorphic RBC)、均一赤血球(isomorphic RBC)をラベル付けし、教師データを作成する。今までの画像認識研究の経験よりおおよそ1-3万個の赤血球画像を標識することで十分な機械学習が可能と考えられており、実現可能な数である。機械学習に際しては、慶應AIメディカルセンターで利用している既存のGPUサーバーを利用し、教師データでの学習後に正診率を検証する。既に教師データの取り込みと学習を開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
適切な教師データの取得およびデータ解析の環境整備に時間を要したため、教師データの取り込みと変形赤血球と非変形赤血球の機械学習をおこなっている段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き教師データの取り込みを行い、学習の精度を高めていく予定である。尿中赤血球の機械学習がある程度軌道に乗った段階で、尿中ポドサイトの染色による明確化と形態認識についても並行して進める予定である。
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Causes of Carryover |
端数の金額(113円)が残金として残ったが、次年度の培養細胞実験における消耗品費として、次年度予算と合わせて使用を予定している。
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