2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of the theranostic strategy SMART-PaC for pancreatic cancer
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22K19513
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Research Institution | National Institutes for Quantum Science and Technology |
Principal Investigator |
辻 厚至 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 分子イメージング診断治療研究部, グループリーダー (60303559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒澤 仁 藤田医科大学, その他部局等, 講師 (10410739) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 膵癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
標的タンパク質は7回膜貫通タンパク質であり,生体内で機能する高親和性抗体を得るためには,生体と同じ高次構造を持つエピトープが必要である。そのため、高次構造の提示する複数の抗原を得るために、目的タンパク質を強制発現させたカイコのミクロソーム画分、もともと発現しているヒト膵癌がん細胞株に加え、標的タンパク質を安定高発現する細胞株3種を新たに樹立して、それらを使って検出感度の評価を行った。対象として細胞外ドメインの精製タンパク質と発現がほとんどない膵癌細胞株を準備した。残念ながら十分な感度が得られる結合は確認できなかった。また、さらに新しい高親和性抗体の取得を目指し、前年度とは異なるライブラリーを調整し、そのライブラリーでの高親和性抗体スクリーニングとその評価も始めた。スクリーニングの結果、複数の陽性クローンが得られたが、まだ単離には至っていない。これらとは異なる抗体の精製も行い、生細胞への結合性を評価したが、前年度の抗体と同様に結合は高くはなかった。血中エクソソームに標的タンパク質が含まれているか検証するために、樹立した高発現細胞株の培養上清で、エクソソームの精製を行ったが、十分な量の取得には至らなかった。培養ボリュームを増やすとともに、別の精製方法を試行する必要があることが明らかとなった。また、ヌードマウスなどの免疫不全動物に移植し、腫瘍形成させ、血液からのエクソソーム精製も試行する検討も開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
生細胞を使った高次構造を保持するエピトープを認識する抗体を得る段階でまた取得には至っていない。前年度とは異なるライブラリーの準備と新たなスクリーニング材料として、標的タンパク質を安定高発現する細胞株3種を樹立していたことが理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度、別の高品位完全ヒト抗体ライブラリーから異なる抗体単離法で高親和性抗体を新たにスクリーニングして陽性クローンを得ており、そのクローンの評価を進めることで遅れを挽回する。また、血中エクソソームに目的タンパク質が含まれているかどうかの検証を進める目的にも使える高発現細胞株の樹立に成功したため、その細胞株を使って当初計画とは違った検出系も並行して進めることで、目的を達成することを目指す。また臨床サンプルでの発現解析を進める。
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Causes of Carryover |
抗体ライブラリーの再構築、異なるスクリーニング材料として高発現株の取得に時間がかかり、計画通りに進まなかったため。新しい抗体取得やエクソソームの検討、臨床検体での発現解析に使用する。
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