2023 Fiscal Year Research-status Report
抗原選択的免疫応答制御を実現する為の基盤システムの構築
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22K19547
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田中 伸弥 九州大学, 生体防御医学研究所, 准教授 (80462703)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 細胞間相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度報告した人工リガンド-受容体システムに加え、同様に細胞間相互作用を検出するシステムの機能性を評価した。本システムは、ペプチド転移酵素融合リガンド分子から、G5融合受容体へ、ペプチド転移が生じることで細胞間相互作用を検出する系である。これら融合分子をそれぞれ培養細胞に発現させ、基質ペプチドとともに共培養することでペプチド転移が起こることが示された。この転移は、G5融合受容体、基質ペプチド、転移酵素融合リガンドのうち、どれが欠けても生じなかった為、転移反応の特異性が示された。培養系において、この転移はCD40-CD40Lといった同族リガンド-受容体の相互作用がなくても生じるが、これら分子の相互作用がある場合、より効率的に転移反応が生じることが示された。さらに、この転移反応の効率は、人工リガンド-受容体の発現強度、及び、相互作用の時間によって規定されている可能性が示唆された。従って、このシステムは、より継続的で安定した細胞間相互作用を優先的に検出する特性があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞間相互作用を同定できるシステムの機能性が確認され、その活性は十分に高いことが示された。これは、同システムが、細胞間相互作用を定量的に検出する為、また、新規細胞間相互作用を同定する為に有用であることを示唆していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度で機能性が確認された人工リガンド-受容体をプライマリー細胞に適用することで、抗原特異的細胞間相互作用を検出できるか、さらなる機能性について検討する。また、生体内での機能性の検証を試みる。
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Causes of Carryover |
外部委託を予定していた計画の一部を研究代表者が実施した為。 次年度の物品費に使用予定である。
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