2023 Fiscal Year Research-status Report
Pancreatic cancer Stroma-specific conjugate eradication by siege and treatment-resistant reprogramming
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22K19559
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐藤 太郎 大阪大学, 医学部附属病院, 准教授 (40368303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江口 英利 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90542118)
石井 秀始 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教授 (10280736)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 膵がん / FAP-NNMT-i / 兵糧攻め |
Outline of Annual Research Achievements |
日本では、膵がんで年間42千人が死亡し、5年生存率は22%である。脳腫瘍(多形膠芽腫)や悪性中皮腫等とともに膵がんは予後不良の難治がんの代表格である。 ステージI(早期段階の膵がん)の5年生存率は60%であるが、この段階で発見させることは5%程である。残り95%のステージが進むにつれて(進行期)、概して予後不良で5年生存率は20%である。 本研究では、課題の具現化に向けて、標準的な治療後の膵上皮がん細胞を特異的に「兵糧攻め」して根絶化するために、がん微小環境の一炭素代謝の鍵酵素の1つである、Nメチルニコチン酸メチル転移酵素(NNMT)を標的とした新規核酸医薬品として、架橋型核酸の改変型を用いた最適リードコンジュゲート化合物(FAP NNMT-i)を作出し、前臨床試験(薬効および安全性)のProof-of-Concept (POC)を確保、スピード感を持って膵がん予後改善の実現化にむけて研究を進めてきているところである。 本研究では、シングル細胞解析の予備的な検討から、膵がんの間質では、特性が異なる複数の細胞集団とその表面抗原を明らかにしているので、それらを指標とした治療分子の開発も進めている。さらに、膵がんの間質の特性に着目したシーズの確定と知財化(特許申請)に関しても進行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの私たちの基礎研究を基にして、シングル細胞解析、代謝解析、細胞実験の情報を統合することにより、メチルトランスフェラーゼ(MT)20個を対象にして網羅的に検討して前臨床試験を進め、類似の核酸医薬品と比較検討しながら、基本的な安全性試験まで進めることができている。さらにNNAMが関わる酵素経路のリード化合物としてコンジュゲートされた核酸医薬品として最適化を進めているところである。前臨床試験として膵がん細胞スフェアとCAF三次元培養、手術切除サンプルを免疫不全マウスに移植したPDX-CAFマウス、KRAS/P16INK4A遺伝子改変自然発がんマウスを用いて、FAP-NNMT-iの薬効および安全性を検討した。このようにマウスの免疫が残存している状態で間質の線維芽細胞の関与や、線維芽細胞とリンパ球の間の細胞間コミュニケーションを指標として、シーズの最適化、さらには知財化を進めることができた。リード化合物の知財化と企業導出と社会実装では大阪大学未来医療センターと協働していく計画である。
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Strategy for Future Research Activity |
がん微小環境の活性化線維芽細胞(CAF)標的化関しては、正常の線維芽細胞とCAFの相違が、NFk等の炎症応答、PDL1等のT細胞の免疫制御、嫌気性解糖系のような代謝特性、血管脆弱性であると、これまでに私たちを含む内外の研究が精力的に推進されている。本研究でも、治療の具現化を促進するために、現在の臨床試験および前臨床試験で得られたシーズを加えながら開発を加速化し、社会実装を加速させたいと考えている。 CAFでは特異的に細胞表面蛋白FAPの発現が高く、トランスフェラーゼNNAMが顕著に高い発現を示 すことを見出した。2019年の前臨床試験で、FAPI-04(FAP-i)の有効性が示されたことから、そのコンジュゲートを医薬品として迅速に実現できる。核酸医薬品の開発としては、大阪大学の創薬プラットフォームを活用し、コンジュゲート化合物の最適化を進める計画であ る。 この実験のために、 膵がん細胞スフェアとCAF三次元培養により細胞死を評価するin vitro系、マウスのin vivo系は整っている。 臨床応用に向けて、阪大未来医療センターの支援による前臨床段階からのシーズマッチングを効果的に進める。さらに大阪大学の産学連携プラットフォームを活 用して、効果的な企業誘致とシーズの実現化に向けてスピード感を持って進めていく計画である。
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Causes of Carryover |
研究全体が期待以上に大きく進み、分担者の研究内容は研究代表者の研究内容に組み込んで進めることにより、研究全体の迅速な進捗と国際競争力のある論文化に向けて組み立ていくことで、効果的な研究のフィードバック循環を図る見通しが立ったため。
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Research Products
(9 results)