2023 Fiscal Year Annual Research Report
経静脈投与が可能な虚血性心疾患に対するエクソソーム治療法の開発
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22K19563
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
濱野 公一 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60263787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 耕司 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (30736070)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | 再生医療 / microRNA / 血管新生 / 細胞外小胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに血管新生能microRNAを内包した細胞外小胞をマウス下肢虚血モデルの大腿部に投与したところ、血管新生に関与する複数の遺伝子の発現レベルが上昇したが、その遺伝子の中でFGF2に着目し、今回、血管新生能があるとして、特定したmicroRNAの機序を解析するために、FGF2を上昇させる機序を目標に解析を行った。 FGF2の発現に関与することが報告されている遺伝子の中で、今回特定したmicroRNAが、その遺伝子の3'UTRに結合することが予測されることをアルゴリズム解析から複数の遺伝子を抽出し、3'UTRルシフェラーゼ解析およびウェスタンブロッティングを実施した。それらの解析から、今回特定したmicroRNAは、DPP4を抑制するこで、FGF2が上昇する機序の可能性を示唆する結果を得た。これまでに、DPP4をsiRNAでノックダウンするとFGF2が上昇するということが報告されていることから、今回の実験で得られた結果は、これまで報告されているFGF2が上昇する機序と同じ機序により、FGF2が上昇する可能性がある結果となった。 今回の研究から、細胞外小胞を利用することで、血管新生microRNAを投与することで、血管新生による血流改善効果を示す結果を得た。今後は、この血管新生microRNAを様々な虚血疾患モデルに対して治療効果を検証することで、血管新生を促す治療法として、血管新生microRNAが有効であるか否かを検討していく必要があると考えた。
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