2023 Fiscal Year Research-status Report
Attempt to use skin tissue killed by high-pressure treatment technology as autologous regenerative vascular grafts
Project/Area Number |
22K19571
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
山南 将志 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (30438204)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井田 夕紀子 東京医科大学, 医学部, 兼任講師 (00459504)
山岡 哲二 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 客員部長 (50243126) [Withdrawn]
夜久 均 京都府立医科大学, その他部局等, 学長 (50295648)
田中 秀央 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任教授 (60236619)
神田 圭一 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60295649)
田地川 勉 関西大学, システム理工学部, 准教授 (80351500)
上 大介 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80415588) [Withdrawn]
五條 理志 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90316745)
権代 竜郎 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 専攻医 (00970906)
川尻 英長 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40515235)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 血管移植片 / 組織工学 / 皮膚組織 / 高圧処理 / 殺細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
血管に用いられる移植片の開発において、適度な柔軟性と高い耐圧性・耐久性を持ち、生体適合性が良く、成長の可能性も有する物が求められている。しかし、これらの条件をすべて満たす血管移植片はまだ実用化されていない。本研究では、生体に備わっている素材として皮膚組織に注目した。自己の皮膚組織を採取し、速やかに高圧加工を施すことで殺細胞処理を行い、血管壁補填材料として利用できるかどうかを動物実験にて検討することを目的とした。 ビーグル犬の腹部皮膚を少量採取し、採取した皮膚に対して高圧処理加工を行った。その後、同じビーグル犬の頸動脈前壁にパッチ移植(自家移植)を実施。高圧処理後の皮膚組織は柔軟性があり、通常の血管吻合操作と同様に移植操作が可能であった。移植後、所定期間における超音波検査でも動脈の開存性は良好であり、皮膚組織パッチ部分に明らかな瘤化は見られなかった。所定期間経過後に移植片を摘出したところ、パッチ部分の内腔面は非常に平滑で血栓形成も見られなかった。組織学的評価では、パッチ組織内に細胞浸潤が認められ、エラスチン形成も観察された。 対照群として、ビーグル犬の頚静脈壁を一部採取し、同じビーグル犬の頸動脈前壁にパッチ移植を行った。静脈壁パッチ移植後の動脈開存性は皮膚パッチ移植後と同様に良好であったが、移植後数か月でパッチ部分の瘤化が見られた。 高圧処理皮膚パッチは少なくとも自家静脈壁パッチと同等の強度を有していると考えられるが、現時点ではn数が少なく、さらに検討を進めるため、今後はさらにビーグル犬皮膚組織の自家移植実験を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
自家由来高圧処理皮膚組織の血管移植実験および対照群としての自家静脈壁パッチ移植実験は行えている。 しかし、COVID-19感染拡大の影響などにより、自施設における研究を一時的に停止せざるを得ない状態だったりするなどしたため、現時点ではサンプル数が少なく、当初計画していた移植件数が行えていない。
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Strategy for Future Research Activity |
高圧処理後の皮膚組織の血管移植実験の手技はすでに確立できており、今年度はさらに衣装実験を進めていくようにする。移植後の血管壁の形態的評価や、血管開存性の評価は超音波検査で行い、所定期間後に移植片を摘出した後は、移植片の組織学的変化についての評価も行うようにする。
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Causes of Carryover |
COVID-19感染拡大の影響などにより一時的に研究の進行を停止したり、限定された実験のみしか行えなかったりしたため、予算を次年度に繰り越すこととなった。 次年度には高圧処理皮膚組織の血管パッチ移植実験を進めていくため、必要な物品購入や研究成果を学会などにて発表するための旅費などに予算を割り当てる計画である。
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