2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of a Novel Therapeutic Agent for Preeclampsia Using Micellar Nanoparticles
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22K19579
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
入山 高行 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (10570442)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | 妊娠高血圧腎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
妊娠高血圧腎症(Preeclampsia:PE)は、妊娠中に発症した高血圧を主徴とする全身性疾患である。PEは母児の周産期罹病・死亡の主因となる重篤な疾患であるが、PEに対する病態に即した有効な治療法は存在しない。PE治療薬の開発は切望されており、アンメットメディカルニーズは極めて高い。PEにおけるレニン・アンジオテンシン系(renin-angiotensin system:RAS)の亢進は、母体症状の表出と胎盤機能の悪化をもたらす本質的な病態機序である。しかし、RAS阻害剤は、胎児毒性のために妊娠中に投与ができないという大きなジレンマがある。そこで本研究においては、ナノ医療技術の応用により胎盤通通過性を最小限にするDrug Delivery Systemを構築する。既存のRAS阻害剤をミセル型ナノ粒子に搭載して胎盤通過性を排除することで、胎児への毒性懸念のない、母体および胎児両者の予後を改善するPEに対する革新的治療薬の開発を目指す。高分子ナノミセルにアンジオテンシンⅡ1型受容体拮抗剤(ARB)を搭載することで、分子量を大きく、かつ水溶性を高め、胎盤通過性の著しい抑制効果を得るべく、東大工学部の研究室および東大創薬機構の支援を得て、ミセル型ARBの設計を行った。搭載するARBの構造活性相関の視点から修飾可能な位置を見極め、活性と非胎盤通過性の両立を目指すべく、合成を開始した。合成したミセル型化合物のin vitroでの薬効の評価および動物モデルを用いたin vivoでの薬効や胎盤通過性の評価をするべく、化合物の合成と並行して、準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究に着手し計画通りに研究を遂行している。
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Strategy for Future Research Activity |
東大工学部の研究室および東大創薬機構と密な連携をとりつつ、研究を遂行する。 合成したミセル型化合物のin vitroおよび動物モデルを用いたin vivoでの薬効や胎盤通過性の評価をするべく、化合物の合成と並行して準備を進めている。
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Causes of Carryover |
昨年度は、胎盤を通過しないミセル型ARBの設計および合成を行いつつ、ミセル型化合物のin vitroおよび動物モデルを用いたin vivoでの薬効や胎盤通過性の評価をするにあたっての細胞系、動物実験系の確立に向けた準備、検討を行った。本年度に持ち越した予算と合わせて、細胞や動物モデルを用いた化合物の評価を行うための資金として主に使用する予定である。
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