2023 Fiscal Year Research-status Report
Basic research to elucidate the impact of genomic diversity acquisition on the endometrial embryo implantation environment and carcinogenesis inhibition
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22K19581
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
水本 泰成 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (00420331)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 浩 金沢大学, 医学系, 教授 (30252456)
大黒 多希子 金沢大学, 疾患モデル総合研究センター, 教授 (30767249)
飯塚 崇 金沢大学, 医学系, 講師 (90748617)
前田 大地 金沢大学, 医学系, 教授 (30585500)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 正常子宮内膜上皮 / ゲノム変異獲得 / 胚接着機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
子宮体癌はMSI陽性症例の頻度が高い腫瘍として知られている。2013年The Cancer Genome Atlas Research Network (TCGA) 研究におい、子宮内膜癌において多数のゲノム変異を伴うサブタイプPOLE (ultramutated)、MSI (hypermutated) などの存在が明らかになった。近年この特徴を説明し得る新知見として、正常子宮内膜腺が単クローン性増殖をする中で、若年成人(10代後半)から多数のゲノム変異が観察され、その変異は子宮内膜癌関連がん遺伝子にも及び、且つ加齢に伴い変異量が増加する現象が報告された(Moore L. et al. Nature 2020)。この子宮内膜における「ゲノム変異獲得Achieved Genomic Mutation」現象の制御機構と生理的意義は全く未解明である。子宮内膜の機能層は月経周期に伴い再生・脱落を繰り返すため遺伝子修復分子の異常により遺伝子変異が蓄積されやすいことは理解できるが、それだけでは子宮内膜腺上皮になぜ若年成人(10代後半)から多数のゲノム変異が観察されるのかは説明できない。BRCA遺伝子変異においても乳癌や卵巣癌のほうが子宮体癌の発症より頻度が高いなど、矛盾が生ずる。そこで本研究申請者らは子宮内膜には自然の遺伝子複製のエラーだけではなく、積極的に遺伝子の変異を促進する機構が生理的に備わっていると発想を転換し胚-子宮内膜の接着機構について詳細に検討することとした。臨床検体を用いた研究を行うため、正常子宮内膜、子宮内膜癌、着床不全症例の子宮内膜および末梢血サンプルを収集し、準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究担当者の業務上の配置転換により、研究遂行に様々な環境調整が必要となっているため
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Strategy for Future Research Activity |
研究遂行に必要な研究補助員を確保し、計画を推進する。
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Causes of Carryover |
研究実施のための体制(特に人員)が整わなかったため、計画通り研究費を使用することができなかった。次年度は研究補助員を確保したうえで、遅れを取り戻す予定である。次年度使用額は、研究材料の解析に必要な物品購入、人員確保に必要な経費として使用する予定である。
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