2023 Fiscal Year Research-status Report
骨折治癒部位に誘導されるシュワン細胞と間葉系骨形成細胞の細胞間情報伝達機構の解明
Project/Area Number |
22K19583
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
河村 真吾 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 特任講師 (30456511)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 治彦 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60402830)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 骨再生 / Sox10 / シュワン細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
末梢梢神経はニューロンとシュワン細胞からなるが、なかでもシュワン細胞は末梢神経機能維持に重要な働きをもつ。本研究では、骨折後の骨再生における骨内末梢神経シュワン細胞の役割、特に間葉系骨形成細胞に与える影響を解明すること、さらに両者の細胞間情報伝達機構を標的とした新規骨再生治療を開発することを目的とした。シュワン細胞を特異的に標識可能なSox10-CreERT2/Rosa26-tdTomato(Sox10/tdT)マウスを作製し,1週齢でタモキシフェンを投与し,2週齢で下肢骨折モデルを作製した.骨折7日後に骨折部断端および骨折治癒部を観察すると,多数のtdT+細胞が誘導されていた.しかし,誘導されたtdT+細胞数は骨折部位により異なり,骨幹部骨折時には極少数であったのに対し,骨幹端骨折時には多数であった.さらに骨幹端骨折時にみられたtdT+細胞はシュワン細胞マーカー(S100b)陰性であった.骨幹端にはSox10陽性非シュワン細胞が存在すると考え,1週齢と3ヶ月齢のSox10/tdTマウスの骨端部を解析した.すると前者ではtdT+/S100b-細胞が多数存在したが,後者ではごく少数のtdT+/S100b+細胞(シュワン細胞)が存在するのみであった.以上より,当初の仮説は否定されたが,若齢マウスの長管骨骨幹端にはSox10陽性間葉系細胞が存在することが示唆された.Sox10陽性間葉系細胞の性質を評価すべく,Sox9-EGFP/Sox10/tdTマウスを作製し,1週齢でタモキシフェンを投与し,2週齢で膝関節を解析した.その結果,関節軟骨とgrowth plateの一部にtdT+/EGFP+軟骨細胞,2次骨化中心に多数のtdT+/EGFP-/Osx+骨芽細胞と少数のtdT+/EGFP-/Sox10+細胞を同定した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
Sox10-CreERT2/Rosa26-tdTomatoマウスを用いた実験により、先行実験の結果から予想していた骨折部へのシュワン細胞の誘導が少ないことが判明した。一方で、tdTomato陽性非シュワン細胞の誘導が多く、骨再生における本細胞群の重要性が示唆されたため、研究推進の方向性の変更を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
Sox10は神経堤細胞マーカーでもあり,神経堤細胞は骨軟骨細胞への分化能も有する幹細胞として知られる.若齢マウスの2次骨化中心内に存在するtdT+細胞の多分化能を評価すべく,Sox9-EGFP/Sox10-CreERT2/Rosa26-tdTomatoマウスに1週齢でタモキシフェン投与,2週齢で膝関節にmicrofractureを施行,3週齢で膝関節を解析する.Sox10陽性細胞の分化多能性,組織再生能を解析する方針である.
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Research Products
(1 results)