2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22K19586
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
安達 伸生 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (30294383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
味八木 茂 広島大学, 病院(医), 特定教授 (10392490)
寺村 岳士 近畿大学, 大学病院, 准教授 (40460901)
亀井 直輔 広島大学, 医系科学研究科(医), 准教授 (70444685)
中佐 智幸 広島大学, 医系科学研究科(医), 寄附講座准教授 (60467769)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | 変形性関節症 / 関節軟骨 / 骨格幹細胞 / 細胞系譜解析 / 軟骨修復 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨髄や骨格系組織などに存在するいわゆる骨髄由来間葉系幹細胞や組織幹細胞が骨折治癒や軟骨修復に関与することが示唆されてきた。近年の解析技術の進歩から骨格幹細胞(SSC)などの細胞を追跡可能な細胞系譜解析やシングルセル解析などの技術が開発され、より詳細な単一細胞情報が明らかになりつつある。本研究は、2つのSSCマーカー候補としてGremlin1とTppp3に注目し、それぞれの陽性細胞を追跡するためにGrem1CreERT- tdTomatoマウスとTppp3CreERT-tdTomatoマウスを作製した。さらに、CreERT2 リコンビナーゼ活性依存的にジフテリア毒素受容体(DTR)を発現するGrem1CreERT-DTR-tdTomatoマウスおよびTppp3CreERT-DTR-tdTomatoマウスを作成し、ジフテリア毒素(DT)依存的に tdTomato蛍光(赤色)標識されたGrem1およびTppp3陽性細胞を除去可能なマウスを作製しました。Grem1陽性細胞は、関節軟骨や成長板軟骨における細胞の一部と骨髄内、骨膜で陽性細胞が確認できた。また、Grem1陽性および陰性軟骨細胞の遺伝子解析などを行った。また、15ヶ月齢マウスは若齢マウスと比べて、組織学的にOA様の変化が観察され、関節軟骨細胞数は減少していたが、Grem1陽性細胞の割合には変化がなかった。Tppp3陽性細胞は、滑膜、腱・靱帯、関節軟骨の表層、骨膜で陽性細胞が確認できた。今後、加齢や損傷に伴うGrem1やTppp3陽性細胞の変化やDT投与依存的な細胞除去による関節軟骨など関節組織恒常性維持の関与や修復部位への細胞集積など陽性細胞の性質を明らかにしていく。
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