2023 Fiscal Year Research-status Report
BMP-2誘導性骨髄から紐解く骨髄ニッチ細胞・CAR細胞の起源と発生メカニズム
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22K19625
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大野 充昭 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (60613156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪木 拓男 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (00225195)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | CAR細胞 / 骨髄 |
Outline of Annual Research Achievements |
CAR細胞は間葉系幹細胞としての性質も有するため,その起源から老化に至る一連の分化制御メカニズムを解明することは,ステムセルエイジングを起因とする加齢性疾患の予防や治療に繋がる重要な課題である.一方,申請者らは,骨形成タンパク質として知られるBMP-2を用いて,CAR細胞を含む造血を営む機能的な骨髄ニッチが形成された異所性骨髄器官を誘導することに成功した.そして,本モデルが,これまで難しかったCAR細胞の起源細胞のスクリーニングに応用可能であることを,予備的検討により見出した.そこで,本研究では,未だに明らかとなっていないCAR細胞の起源や骨髄形成メカニズムを明らかにすることを目的としている. 2022年度は,single cell RNA-SeqによるCAR細胞の起源候補細胞の抽出を行うため,8週齢のマウス大腿骨骨髄およびP7, P13のマウス大腿骨骨端部の二次骨化中心から細胞を採取し,1細胞解析 (single cell RNA-seq)を行った.そして,次元削減を行いUMAPにて二次元上に描写し,クラスター解析,アノテーションを行い,CAR細胞の起源となっている候補細胞の抽出を行った.2023年度は更に解析を進め,P7及びP13由来細胞には,Cxcl12陽性のCAR細胞と分化経路解析が可能なMmp13陽性の軟骨細胞が存在することが明らかとなった.これらの細胞集団に対して,Trajectory解析を行ったところP7,P13のMmp13陽性軟骨細胞からCAR細胞への分化経路が推測された.このMmp13陽性軟骨細胞は,石灰化や基底膜コラーゲンをコードしている遺伝子の発現が高発現している細胞群であることが明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今回8週齢,P7, P13のマウスから細胞を採取してsingle cell RNA-seqを行い,Trajectory解析を行い,うまくCAR細胞の起源細胞を抽出することができた. しかし,P7より若齢のマウスやP13より高齢のマウスから細胞を採取してこれまでのデータを統合して解析した方がより正確にtrajectory解析ができる可能性が出てきたため,次のステップに行くことができなかった.そのため,従来の計画よりやや遅れていると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は,より正確にTrajectory解析を行うため,P5およびP28のマウス大腿骨骨端部の二次骨化中心から細胞を採取し,2023年度に行ったsingle cell RNA-seq解析のデータと統合して解析する.そして,これらの解析結果をもとに,CAR細胞の起源をさらに詳細に解析する.
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Causes of Carryover |
今回,single cell RNA-seqを行う上で,細胞を混ぜて解析することができたため,経費を節約することができた.しかし,そのプロトコールの確立に時間がかかってしまった.そのため,経費を次年度に延長した.削減できた経費は,追加で行うことになったP5とP28マウスの細胞を用いたsingle cell RNA-seq解析に使用する予定である.
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