2023 Fiscal Year Research-status Report
MSC/2型Mφ1細胞間連携による炎症・再生連関促進の分子メカニズム解明
Project/Area Number |
22K19627
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
秋山 謙太郎 岡山大学, 大学病院, 講師 (70423291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪木 拓男 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (00225195)
大野 充昭 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (60613156)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | CAR細胞 / M2マクロファージ / 1細胞解析 / 極性誘導 / 骨芽細胞分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,これまで組織再生の中心的役割を担うとされてきたMSCsと,同じく免疫 ・炎症の司令塔とされるマクロファージの組織修復過程における細胞間連携に注目し,1 細胞レベルでのMSCs/M2相互作用をscRNA-seqとligand-receptorペア解析を駆使し,炎症から組織再生における経時的な機能変化を分子レベルで明らかにする,独創的かつ挑戦的な研究である.さらに,これまで全く解明されてこなかったM2によるBMSCs/CAR細胞の骨芽細 胞分化の制御メカニズムを明らかにすることで,炎症再生連関の本質解明に挑戦する. 本年度は scRNAseqのデータを解析し,創傷治癒過程におけるMSCと炎症性マクロファージの細胞間相互作用をCellChatにて計測し,創傷治癒の過程で,骨欠損1日後で亢進し,その後減少した.反対にMSCと抗炎症性マクロファージであるM2との相互作用では骨欠損作製後3日まではほとんど計測されず,7日目で上昇した.また,実験的にマクロファージを枯渇させるとMSCとM1ならびにM2の相互作用は明らかに減少するだけでなく,相互作用発現のタイミングも遅延していた.興味深いことに,創傷治癒局所でのMSCは術後3日目にかけて減少し,7日目で元に戻る動態を見せ,同じタイミングで骨芽細胞の分化促進が認められたものの,マクロファージ枯渇群ではこのような現象は見られず,MSCとマクロファージの細胞間相互作用がMSCの骨芽細胞分化に影響を与えていることが強く推察された.今後は当初の予定通り,ligand-receptor assayにより細胞間相互作用の詳細な検討を行う.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
炎症初期から再生期にかけてAdipoCARとマクロファージのトラジェクトリー解析,およびCELLCHATにてligand-resepter解析を実施しているものの,どの分子が制御しているかの特定には至っておらず,やや遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
scRNA-seqの結果から,M2がligandを発現し,その receptorをBMSCs/CAR細胞が発現するいう組み合 わせを網羅的に抽出する.その後,培養BMSCs/CAR細胞 に,実抽出されたligandを培養液中に加え,骨芽細胞分化が促進されるか,骨芽細胞分化マーカーの 定量性RT-PCRおよびALP染色等で評価する. さらに,どのM2サブタイプが先の実験で骨芽細胞分化を促進したligandを特異的に発現しているかをscRNA- seq解析の結果を用いて解析する.そして,骨芽細胞 分化に関わっているM2サブタイプをセルソーター にて単離し,in vitro共培養系実験を行い,骨芽細胞 分化が促進されるか確認し,どのM2サブタイプのどの ligandがBMSCs/CAR細胞を刺激することで骨芽細胞分化を促進しているのかを検討する.
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Causes of Carryover |
実験計画の進行が当初の予定より遅れており,次年度への解析費用を持ち越したため.
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