2023 Fiscal Year Research-status Report
死胎児の週齢推定に関する研究~胎盤及び臍帯病理所見から法医診断へ
Project/Area Number |
22K19648
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
谷口 香 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (40599784)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 雅布 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (80616235)
宮石 智 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (90239343)
山崎 雪恵 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (60444676)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 胎齢推定 / 臍帯 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、胎盤や臍帯組織の病理所見に基づく死胎児の週齢(胎齢)推定法を確立することにより、異状死体として発見された妊婦死亡や嬰児死体の胎齢推定に役立て、法医解剖鑑定への実際応用につなげることを目的としている。 研究方法としては、既知の妊娠週数の胎盤及び臍帯の染色標本を用いて、特定の細胞の計数を行った上で、細胞数やその相互の比、或いは構造特徴との関係を明らかにし、それに基づいた胎齢推定の数式の策定を目指すものである。現時点では、臍帯組織に焦点を絞り、血管径と血管壁平滑筋細胞を対象として研究の進捗を図っている。 研究材料について、当大学病院の分娩例の組織検査用検体、および当法医学教室での鑑定例の検体を計画し倫理申請を行った結果、先に既存の法医鑑定試料について承認された。過去20年における法医鑑定全例をレビューした。その結果、胎盤ないし臍帯が鑑定資料となっていた可能性のあるものは26例あり、これらを更に仔細に検討して、病理学的異常がなく、本研究の目的に資する鑑定例を12例見いだすことができた。今年度になって倫理審査で承認を受けることができた、岡山大学病院で分娩され病理組織検査に提出された過去10年間の試料については、約2000例あることが判明した。これらの全てについて、医療記録を1例ずつ検討した結果、本研究に適する可能性がある症例は妊娠中期以降に偏っていた。このため、妊娠中期以降に絞って病理学的異常の有無の確認を進めた結果、各週あたり3例を目安として、合計約30例を検討対象症例として抽出することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当大学病院にて分娩後組織検査のために提出された検体については、今年度に入りようやく倫理審査で承認が得られた。承認された検体については、大学病院病理診断科が個人情報保護の観点から管理しているため、本研究に必要な情報の抽出に当初計画を遙かに超える時間と労力が必要となった。対象期間内の検体数2000例余りを抽出できたが、そのうち研究に適する症例かどうかを1例ずつ検討する作業にも時間がかかり、進捗の遅れになった。
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Strategy for Future Research Activity |
法医鑑定試料を用いた昨年度の検討では、計画していた細胞の同定や計数が必ずしも容易でない可能性が示唆された。今年度は分娩後組織検査検体の研究使用が可能になったため、まずは臍帯組織に焦点を絞って研究を進めたい。研究対象として、大学病院病理診断科の記録からの研究に必要な情報の抽出には膨大な時間を要したこと、および病院電子カルテシステムへの非病院職員のアクセス権の取得には困難が予期されることから、妊娠各週0日の症例の全例抽出の方針を、○週0日が予め判明している症例のみを対象とするよう方針を修正する。妊娠中期以降の症例が主となるが、まずはそこで一般的傾向を掴み、他の妊娠期間へ応用を検討する。
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Causes of Carryover |
倫理審査で承認を得るのに時間を要したこと、大学病院病理診断科の記録から本研究に必要な情報の抽出に想定外の時間を要したことの影響による研究の遅れを取り返せない形で、当該年使用額が当初計画より少なくなった。本年度は、これまで述べた通りに研究の方針を修正したこと、また複数の組織染色法の併用による検討も視野にいれていることから、滞りなき経費執行となると考えている。
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Research Products
(1 results)