2023 Fiscal Year Research-status Report
Epidemiological study on electromagnetic field exposure and health due to the use of integrated circuit tags used for product management
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22K19651
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Research Institution | Shizuoka Graduate University of Public Health |
Principal Investigator |
佐藤 康仁 静岡社会健康医学大学院大学, 社会健康医学研究科, 准教授 (30349774)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島原 典子 静岡社会健康医学大学院大学, 社会健康医学研究科, 教授 (50226867)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 電磁界 / 電波 / 健康 / 安全性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、商業施設におけるIntegrated Circuit(IC)タグシステムの使用による労働者の電波曝露量の推定および健康上の安全性を確認することを目的として実施するものである。商業施設におけるICタグシステムは、入出庫時の検品、商品のピッキング、レジ業務、盗難防止、商品の棚卸等に使用されている。業種や取り扱う商品により導入状況は異なることが想定されるため、2023年度は、商業施設で働いている者を対象にして、ICタグシステムの使用状況を明らかにする調査を実施した(n=1032)。調査では商業施設で働いている者で20歳以上の者に協力を依頼した。回答者は、男性37.4%、女性62.6%、未婚44.7%、既婚55.3%、常勤51.6%、パート・アルバイト48.4%であった。盗難防止ゲートの使用は、医薬品・化粧品小売業(50.5%)および機械器具小売業(40.5%)で高く、飲食料品小売業(12.6%)および自動車・自転車小売業(6.3%)では低くなっていた。ICタグ(電子タグ)の使用は、機械器具小売業(29.7%)および医薬品・化粧品小売業(27.6%)で高く、飲食料品小売業(9.4%)では低くなっていた。ICタグのハンドリーダの使用は、衣服・身の回り品小売業(18.0%)および百貨店・総合スーパー(14.5%)で高くなっていた。ICタグの使用に比べて盗難防止ゲートの使用割合が高いのは、盗難防止ゲートには磁気式タイプのものがあること、ダミーとして盗難防止ゲートを設置していることが考えられる。ICタグのハンドリーダの使用は、ICタグの使用よりも割合が低くなっていたが、ICタグシステムを導入している店舗の一部の労働者が使用しているものと考える。2回目以降の調査では、これらの使用状況を踏まえて曝露状況と健康状況の調査を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は2022年度より開始したが、新型コロナウイルス感染症流行の影響もあり研究者間での打ち合わせが進まなかったこと、またこれにより共同研究契約書の締結が遅れたことにより開始が遅れることとなり、当初計画に対してやや遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は商業施設で働く労働者を対象とした最初の調査(予備調査)を実施した。この結果に基づいて、曝露情報を収集するため調査票および健康情報を収集するための調査票の開発が完了している。実査を担当する調査会社との打ち合わせも完了している状況である。現在、研究倫理審査委員会の審査を受けている。審査終了後、研究実施許可が出次第、調査を実施できる状況にある。本年度は、6月に調査を実施した後、再度12月に追跡調査を実施する予定である。予備調査で得たデータの分析は進んでおり、論文として今年度前半に投稿する予定である。12月の追跡調査実施後は、すぐにデータ解析に入り、今年度中に全体の結果をまとめる予定である。
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Causes of Carryover |
2回目調査の開始が遅れたため、次年度使用額が発生した。今年度は2回目調査と3回目調査を実施するため、研究費の多くを使用することとなる。
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