2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of home hemodialysis self-management support system for elderly dialysis patients in a comprehensive care system besed in the community
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22K19652
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Research Institution | Mie Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
大川 明子 三重県立看護大学, 看護学部, 教授 (20290546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関根 由紀 三重県立看護大学, 看護学部, 准教授 (60549096)
山本 奈津美 三重県立看護大学, 看護学部, 助教 (50823960)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 遠隔看護 / 在宅看護 / 在宅血液透析 / ICT |
Outline of Annual Research Achievements |
わが国の在宅血液透析患者数は、全透析患者の0.2%にとどまり、高齢化も進んでいる。また、在宅血液透析関連診療報酬の規定に基づき「在宅血液透析(Home-hemodialysis、以下HHD)管理マニュアル」が作成されているが、HHD導入教育から指導管理体制や継続的な支援が必要なため利活用は進んでいない。 本研究ではHHD普及を目指し、在宅患者宅と施設とを利用者限定のWebで接続し、両者で情報共有しながら、多職種医療従事者が患者の医療情報を地域で共有できる模擬システムを構築する。次に、模擬高齢者HHD患者のアセスメントができる自己管理支援システムを本研究者らの既存の地域連携型透析患者支援システムに機能追加として構築する。 また、本研究では高齢者HHD普及を促進し、予期せぬ事態を減らして効率の良い療養経過を継続するために、利用者限定のWeb接続とし、多職種医療従事者が地域で患者情報を共有でき、高齢HHD 患者が地域で安心して治療・自己管理できる地域連携型透析患者支援システムを構築する。本システムは機能追加で構築可能なため、短期間・低設備投資で実現できる。 高齢透析患者及び介助者が地域包括ケアシステムの中で安心・安全にHHDを実施するため、本研究ではHHD 普及を目指し、ICT(Information and Communication Technology)を利活用して、在宅患者宅と施設とを利用者を限定したWeb 接続し、両者で情報共有しながら、多職種医療従事者が医療情報を地域で共有でき、高齢者HHDのアセスメントがきる自己管理支援システムの構築を目指している。そのための教育内容や導入の簡便性を検討してきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
在宅患者宅と施設とで利用者を限定したWeb接続を構築し、両者で情報共有しながら、多職種医療従事者が医療情報を地域で共有できる模擬システムを構築する必要がある。次に、高齢透析患者の在宅血液透析(HHD)をおこなうためには、システムの開発と評価とをおこないながらシステムの構築をすすめる必要がある。これには本研究者らの既存の地域連携型透析患者支援システムを利活用し、HHD導入教育の機能を追加したプロトタイプシステムを開発する。これを用いてシステム評価を行い、実用化に向けたシステムを構築する。機能追加は以下の手順でおこなう。 ①既構築システムに在宅と施設間で職種連携・情報共有を図れる地域連携型透析患者支援システムに在宅血液透析管理マニュアルに基づいたHHD教育指導項目を設け、メニューに追加機能としてプログラム開発し、追加する。②追加開発した機能は操作性、利便性、効率性などを医療従事者間で評価する。評価指標は、知識・技術(理解度・習得度アンケート)、生活の質(KDQOL-SFTM)とする。③プロトタイプシステムを構築し、性能評価、構築システム利用の難易度などを評価する。構築したシステムの追加機能の設計・構築の妥当性と信頼性との確認のため、施設間の情報交換・連携を既構築システムに構築機能を追加し、医療情報の送受信実験システムを構築する。 これらの多くがコロナ禍で現状の把握が予定通りに進められなかった。というのも、在宅患者の状況把握をおこなうため、予定していた訪問が患者がコロナ感染のため急遽中止になるなどが起因している。一方、システム構築のソフトウェア開発も、コロナ禍や人手不足のため、開発の進捗が遅れていることも原因して、予定通りに進んでいないのが現状である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究者らの既存の地域連携型透析患者支援システムを利活用し、HHD導入教育の機能を追加したプロトタイプシステムを開発する。これを用いてシステム評価を行い、実用化に向けたシステムを構築する。 まずは在宅患者の状況把握をおこなうための医療機関を通じた患者宅訪問をおこない、現状を把握する。その上で、自己管理がおこなえるように教育・管理できる機能を追加地域連携型透析患者支援システムを研究者間で試行・評価をおこない、さらに追加構築したシステム内容について、透析医から次回のシステム構築にむけた評価を受ける。次に操作性については、ウェブユーザビリティ評価スケール(WUS)で評価する。調査は三重県にある透析クリニックに受診している透析患者1名を対象とする。それぞれの専門的立場から意見交換をおこない検討する。また、成果をシステム構築、システム評価に随時反映させる。 これらによって、高齢透析患者及び介助者が地域包括ケアシステムの中で安心・安全、負担軽減にHHDを実施することができるよう、本システムが情報共有の役割を果たし、多職種と円滑な連携をすることで在宅血液透析の普及に貢献する。
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Causes of Carryover |
令和5年度に予定していた医療機関を通じたHHD患者宅訪問が、予定患者のコロナ感染のために中止になったことと、ソフトウェア開発がコロナ禍での人材不足による開発ができなかったために、令和5年度の本研究の遂行ができなかった。これに伴い、令和5年度の予算執行が無かったことで、これらの研究の実施と予算執行を令和6年度に推考できるように、令和6年度への繰り越しを申請し、許可されている。 令和6度はこれらHHD患者宅訪問をおこなえるように複数の当該施設との交渉を開始している。そこでの実情把握とその項目で構築支援システムに搭載できる項目の詳細を検討し、支援システムの構築をおこなえるように、ソフトウエア開発をおこなう計画である。
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