2022 Fiscal Year Research-status Report
認知症に対応し在宅医療を支援する血中抗体価を指標とした誤嚥性肺炎診断キットの開発
Project/Area Number |
22K19667
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
竹中 彰治 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (50313549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 詩子 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (10401762)
茂呂 寛 新潟大学, 医歯学総合病院, 准教授 (40509452)
野杁 由一郎 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50218286)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | 誤嚥性肺炎 / リスクアセスメント / 訪問看護師 / 地域包括ケア / 口腔バイオフィルム / 科学的評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
在宅高齢者のリスクアセスメントは、持ち込める測定器が限られるため、客観的指標が少なく経験の中でリスクを見抜く必要がある。本研究の目的は、特殊な機器を必要とせず、患者の協力度に左右されずに、症状として現れにくい誤嚥性肺炎のリスクを判定可能な科学的評価システムを開発することである。そして、地域包括ケアで活躍する訪問看護師のリスクアセスメント力を支援する。 初年度は、独自開発したCRP迅速診断キットの分析精度を検証するため、臨床検査における定量値との相関解析を行った。迅速診断キットは、指尖の10ulの血液から5分 後に20-40 mg/Lおよび>60 mg/Lが判定でき、10分後に40-60mg/dLが判定可能である。専用の測定器や電源を必要としないため、在宅医療の他、遠隔医療、災害医 療にも応用可能である。肺炎のため入院した患者を対象に、血液検査が行われた時に残余検体(全血)を回収し、臨床検査値(定量値)を知らない2名の医師が キットを使用して判定を行なった。169検体を解析した結果、カッパ係数は、それぞれ、0.864(評価者1)、0.831(評価者2)であり、高い一致性を示してい た。しかし、検出領域により一致率に差があり、<20, 20-40, >60 mg/Lでは、90%以上の高い一致率を示したが、40-60 mg/Lでは一致率は60%であった。 また、健常者40名、誤嚥性肺炎患者60名の血清を用いて、Streptococcus oralis, S. gordonii, S. mitis, Porphyromonas gingivalisの抗体価を測定した。しかし、健常者と誤嚥性肺炎患者の間で有意な差は得られなかった。今後、カンジダ菌およびFusobacterium属の抗体価を測定する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
血中抗体価測定は、誤嚥性肺炎患者に特異的な口腔細菌が見つけられていないが、解析方法は確立できている。
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Strategy for Future Research Activity |
誤嚥性肺炎の原因菌として、しばしば報告があるCandida albicansとFusobacterium nucleatumに着目し、抗体価を測定する予定である。また、年齢によって口腔細菌の抗体価が違うという興味深い知見も得ている。年齢による抗体価の変化も解析する。
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Causes of Carryover |
次年度に抗体価測定を複数追加する予定であり、消耗品の予算となるため。
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