2022 Fiscal Year Research-status Report
持続的鎮静は安楽死の代替手段になりうるのかに関する学際的研究
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22K19703
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Research Institution | National Hospital Organization, Kyushu Cancer Center |
Principal Investigator |
大谷 弘行 独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究センター), その他部局等, 緩和治療科医師 (10600067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 達也 聖隷クリストファー大学, 看護学研究科, 臨床教授 (70513000)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 持続的深い鎮静 / 倫理的検討 |
Outline of Annual Research Achievements |
苦痛緩和のための鎮静(セデーション)は死亡直前の緩和する手段のない苦痛を緩和するために患者の意識をなくす手段である。国内外でガイドラインが作成され、臨床的な面からも倫理的面からも適応や方法が整えられてきた。一方、近年、精神的苦痛に対する鎮静や生命予後が週の単位での鎮静が国際的に増加しており、将来に生じる身体的苦痛の予防としての治療の中止と同時に行う鎮静がフランスなどで合法化されている。しかし国内では持続的深い鎮静がどの範囲まで拡張可能であるかという安楽死とのグレーゾーンについて学術的議論がほとんど行われていない。 本研究の目的は、我が国において持続的深い鎮静はどの範囲までの拡張が可能であるのかの見通しをつけることである。本研究では、実態調査と倫理と法の専門家による討議をふまえて作成したビデオ・シナリオを用いて、一般市民を対象とした調査を行うことで、持続的深い鎮静の拡張可能性を明らかにする。 今年度は、ビデオ・シナリオを作成するための予備的知見を得るための調査研究の質問票の作成準備を行った。続いて、①精神的苦痛に対する鎮静、②生命予後が週の単位での鎮静、③将来に生じる身体的苦痛の予防としての治療の中止と同時に行う鎮静×予測さる生命予後(月単位、日単位)の6つの場面について、ビデオの作成の準備にとりかかり、ビデオの妥当性の確認を行い、患者の意向を探索していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、我が国において持続的深い鎮静はどの範囲までの拡張が可能であるのかの見通しをつけるための予備調査、及び、持続的深い鎮静を念頭においたビデオ作成の準備を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、調査研究をもとに、持続的深い鎮静を念頭においたビデオ作成の準備の検証を行いつつ、患者登録を行う。最終年度後半に知見をまとめて学際的な検討を行う。
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Causes of Carryover |
ビデオを用いた調査研究に費用が発生することから、ビデオの作成時、ビデオを用いた調査を実施する年に費用を振り向けることとした。
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