2022 Fiscal Year Research-status Report
ヒト全ゲノム解析を用いて染色体に挿入された老化ウイルスを解明する
Project/Area Number |
22K19711
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
水上 洋一 山口大学, 大学研究推進機構, 教授 (80274158)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉野 法広 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (10263782) [Withdrawn]
諌山 慧士朗 山口大学, 大学研究推進機構, 助教 (30780887)
渡邉 健司 山口大学, 大学研究推進機構, 助教 (50711264)
|
Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
|
Keywords | ウイルス / 子宮筋腫 / 全ゲノム |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルスが猛威をふるい、多くの人の生活様式が変化している。ウイルスは人類の存亡に大きな影響を与えてきたが、炎症だけでなくゲノム遺伝子の修復時に染色体ゲノムに挿入し遺伝的な形質を書き換え、老化や疾患・進化にも影響を与えている可能性がある。ウイルス感染が知られているヒト子宮組織の全ゲノム遺伝子配列の解析を行い、コンピュータ上で仮想断片を構築するK-mer法に網羅的な相同配列検索法であるBlast2Goを組み合わせ、ゲノム上に挿入された未知ウイルス配列を解明する。さらに各組織の全RNA発現解析を行い、老化シグナル経路と関連するウイルス配列を解明する。 (ヒト子宮組織)手術による子宮筋腫摘出組織から正常領域と病変部位を分離し、サンプルの凍結保存を行い、50以上の症例についてサンプルの準備が進んでおりRNAやDNA抽出は行われた。 (大型次世代シーケンサーでの全ゲノム解析)12サンプルについて子宮組織から全ゲノムDNAを抽出し、コバリス(所有)で断片化し、DNAライブラリーを作製後、Nova-seqでペアエンドシーケンスを行い、データをトリミング後、専用ソフトを用いてヒトゲノムにマップさせた。遺伝子変異の検出とウイルス配列の解析を行った。 (ウイルス配列の検出)ヒトゲノムにマッピングされないリードをDenovoで結合させ、連結されたリードをK-mer法で仮想上20塩基の連続断片を作製する。同時に既知の全てのウイルス配列を連結された全ウイルス参照配列を作製し、各断片を自動的に照合させ、ウイルス断片の挿入領域と挿入ウイルスを確定している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
全ゲノム解析を行ったが、新型次世代シーケンサーでゲノムホッピングが起こることがわかった。ゲノムホッピングで途中から他のサンプルのデータを解析しているため、信頼性が欠ける配列が混在していることがあり、検証に時間がかかっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
ゲノムホッピングを解消するため、ユニークデュアルバーコードを合成し、ホッピングデータを除外するプロトコールを再構築している。この方法でこれまでの問題は解消できる。
|
Causes of Carryover |
ゲノムホッピングが発生し、解析を中断し条件検討を行ったため、解析の一部が次年度に移行したため。令和5年度はライブラリー作製方法をPCRフリーの方法に変更し、6月から全ゲノム解析を実施し解析試薬に240万円を執行する予定である。また、全ゲノムデータを検証するため、9月に全エクソーム解析を実施しデータ精度の検証を確認し、12月からウイルス遺伝子の変異検出し、令和4年度予算を並行して令和5年度予算を執行する。
|
Research Products
(11 results)