2023 Fiscal Year Research-status Report
Challenge to extinct fear memories by modulating cortical networks in unstable state
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22K19721
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
大鶴 直史 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (50586542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 晃正 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00335374)
ゴメスタメス ホセデビツト 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60772902) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 恐怖記憶 / MEG / 非侵襲的脳刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、恐怖記憶を消去するための不安定状態に関与する脳内ネットワークを同定し、そのネットワークに経頭蓋交流電流刺激(transcranial alternating current stimulation:以下tACS)を用いて人為的介入を行うことを目的としている。当該研究の遂行のためには、適切な恐怖記憶形成および消去のパラダイムを考えること、かつtACSを従来のものよりも高精度化することが重要となる。本年度は昨年度から取り組んでいた、脳内電界シミュレーションによるtACSの高精度化を進めた。具体的には、個人ごとにMRIで撮像したT1およびT2強調画像から、頭部を皮膚・脂肪・骨・脳脊髄液・白質・灰白質などの組織に分類し、各組織に伝導率を与えることで、tACSで刺激を行った際に脳に生じる電界強度のシミュレーションを実施した。このシミュレーションによって、痛み刺激に対する鎮痛を効率化できることを確認し、国際誌に公表した(Eur J Pain)。 また、恐怖記憶を形成し、消去する実験パラダイムの構築も実施した。30名において高精度な脳機能イメージングである脳磁場計測装置(MEG)にてデータ取得を行った。現在このデータを解析中であり、どのような脳活動によって恐怖記憶が固定化されるかを検証している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究計画は、恐怖記憶の消去に関連する不安定状態の脳内ネットワーク同定のために、恐怖記憶に関連する脳活動をMEGで記録することにあった。昨年度に確定した恐怖記憶定着に関する実験パラダイムを用いて、30名において脳活動データの計測および正確な活動源同定のためのMRI構造画像の撮像を終了した。現在、得られたデータをもとに解析を進めており、恐怖記憶の形成、固定に関与する脳活動が同定できるかを検証している。 その他、続く介入研究で使用予定の経頭蓋交流電流刺激(transcranial alternating current stimulation:tACS)に関しても、至適な刺激パラメータを決定するための脳内電界シミュレーションを実施した。MRI構造画像から脳内電界をシミュレーションし、至適な電極配置を決定することで、痛み刺激に対する鎮痛効果を高められることを見出し、国際誌に報告した。現在は、さらに深部の脳部位を刺激できる手法も併せて開発している。 上述のように、おおむね研究は順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、本年度取得したMEGデータをもとに、どのような脳活動が生じると恐怖記憶が強く固定化されてしまうかを明らかにする予定である。具体的には、恐怖記憶の形成期における神経活動および、想起後におとずれる恐怖記憶の不安定状態における神経活 動を、MEGを用いて計測する。その後、得られた神経活動データに対して、機能的ネットワークを検討する解析(各脳領域間のphase locking valueの算出)を実施して、恐怖記憶の形成および消去に深く関連する脳内ネットワークを抽出する。 さらに、前年度に実施してきた脳内電界シミュレーションによるtACS刺激パラメータが、真に脳内における特定周波数帯域の活動を変調するかに関しても、MEGを用いて検証する。具体的には、tACSの前後でMEGによる安静時皮質活動を記録し、意図する脳内ネットワークをtACSで変調することができるかを検証する。 また、MEGによる機能的ネットワークの解析も実施するが、その他特定領域の特定周波数パワーが関与している可能性および特定領域の興奮抑制バランスが関与していることも想定し、得られたMEGデータの解析を進める。
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Causes of Carryover |
MEGでの脳活動データの蓄積に注力していたため、解析は来年度以降としハイスペックPCの購入を見送ったため。
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