2022 Fiscal Year Research-status Report
The study on the brown adipose tissue-derived novel factors which are related to the regulation of muscle regeneration
Project/Area Number |
22K19730
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
後藤 剛 京都大学, 農学研究科, 准教授 (10550311)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬尾 茂人 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 准教授 (30432462)
高橋 春弥 京都大学, 農学研究科, 助教 (30750369)
亀井 康富 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (70300829)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | 褐色脂肪組織 / 骨格筋 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の研究目的は、、筋細胞と褐色脂肪細胞の発生分化段階でのクロストークの有無について検証し、その分子メカニズムの解明を試みることである。研究目的の達成にむけ、得られた当年度の研究実績の概要は以下のとおりである。 1)筋細胞分化におけるBATの役割解明 本研究項目では、筋細胞分化とBAT機能の関連性を生体レベルで明らかにするため、BAT 機能を欠失したマウス(BAT欠失マウス)の筋再生能力の評価を行っている。当年度はBAT欠失マウスおよび対照マウスに対して、Cardiotoxinを筋肉内注射することで誘導される筋損傷後の筋再生過程について検討を行った。その結果、BAT欠失マウスと対照マウス間で筋再生過程おける筋重量の推移については大きな変化が認められないことが明らかになった。 2)褐色脂肪細胞由来の筋細胞分化亢進因子の検討 本研究項目では、褐色脂肪細胞由来の分泌因子が筋細胞に与える影響の解明を主に培養細胞を用いて試みている。当年度は褐色脂肪細胞由来の培養上清添加を筋細胞分化過程において添加し、免疫染色法や遺伝子発現定量法を用いてその影響を評価した。その結果、褐色脂肪細胞由来培養上清添加が筋分化に変化を来すことを見出した。さらに、その効果は褐色脂肪細胞の分化度によって大きく異なることが明らかとなった。 以上より、褐色脂肪細胞由来の筋分化制御因子の存在を示すとともに、褐色脂肪細胞による筋分化調節は褐色脂肪細胞の状態によって変化することが見出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当年度はBAT欠失マウスと対照マウスを用いて、Cardiotoxin誘導性の筋損傷後の筋再生過程について検討を行った。本検討では、BATの欠失がCardiotoxin誘導性の筋損傷後の筋再生過程における筋肉重量に変化を来さないことが明らかになった。一方で、培養細胞を用いた検討において、褐色脂肪細胞由来の培養上清添加が筋細胞分化に変化を来すことを見出し、さらにその効果は褐色脂肪細胞の分化度と深く関与することを明らかにした。培養細胞実験結果は、褐色脂肪細胞由来の筋分化制御因子の存在を示唆するものであり、その同定は超高齢化社会における運動能力低下に起因したQuality of Life 低下、宇宙開発時代の筋力低下といった諸問題に対する解決策の一助となることが期待できる。さらに、褐色脂肪細胞による筋分化制御機構は褐色脂肪細胞分化度合いにより異なることが示唆された。これより、当年度は認められなかった、BAT欠失による筋損傷後の筋再生過程における筋肉重量についても実験動物においても褐色脂肪細胞の状態を変化させることによって変化が生じる可能性が示唆された。 以上より本研究課題はおおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
当年度の研究結果より、褐色脂肪細胞による筋分化制御機構は褐色脂肪細胞分化度合いにより異なることが示唆された。そこで、今後の研究においては、褐色脂肪細胞機能に最も影響を及ぼす因子である環境温度と筋分化との関係について検討を実施したい。また、褐色脂肪細胞由来の筋分化制御因子の同定を目指し、褐色脂肪細胞の培養上清の分析を進め、候補因子を絞り込むとともに、機能解析を実施したい。
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Causes of Carryover |
研究計画は順調に進捗しているものの、一部の消耗品の納品等が新型コロナウイルスの影響等で遅延したため。今年度にこれらを入手し速やかに研究を遂行する。
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