2022 Fiscal Year Research-status Report
Neural mechanisms underlying palatability of drinking water
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22K19735
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
野村 憲吾 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10734519)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | 水 / 中枢神経 / オプトジェネティクス / イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
水分の体内総量を一定に保つことは、体液恒常性ひいては生命維持に必須である。そのため脳は体液状態を直接検知し、飲水行動を調節している。例えば、水分が不足して口渇感が生じると水をよりおいしく感じ、飲水行動が促進される。一方、超高齢化社会を迎えた我が国では、飲水行動の障害によって脱水症に陥る高齢者が増加しており、公衆衛生上の問題である。しかし、この飲水プロセスの中核である『水のおいしさを形成するための脳内メカニズム』は手付かずのままである。申請者らの最近の予備実験から、水摂取が脳の味覚領域を活性化させており、この『水の味』が飲水行動に必須であることが強く示唆された。そこで、本年度は下記の実験を実施した。 まず、脳深部in vivoイメージングシステムを用いて口腔内の水に瞬時に応答する神経細胞が存在することを確認した。加えて、温度や物性ではなく“水”という成分を認識する可能性を検証した。さらに、光遺伝学を用いて、この脳領域が飲水行動に関与するか調べた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究を推進するための基盤である、水摂取に応答して活性化し、飲水行動に関与する脳領域を同定することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、活動依存性標識とトランスクリプトーム解析を用いた水味ニューロンの遺伝学的な同定をおこなうとともに、体液状態(水欠乏)の情報と水の味の情報を統合して、水のおいしさを創出する神経機構を調べる。
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Causes of Carryover |
体液状態と味覚の統合による水のおいしさ創出機構に関する予備実験で予期せぬ結果が得られたため、こちらを優先的に進める準備をおこない、トランスクリプトーム解析の準備を翌年度に変更した。次年度は、トランスクリプトーム解析とあわせてすべての計画を実施する。
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