2023 Fiscal Year Annual Research Report
闘争行動への介入によるコオロギの群れのソーシャルディスタンス形成メカニズム解明
Project/Area Number |
22K19795
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
杉本 靖博 大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (70402972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青沼 仁志 神戸大学, 理学研究科, 教授 (20333643)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | 闘争行動 / コオロギ / 小型ロボット / ソーシャルディスタンス |
Outline of Annual Research Achievements |
コオロギを含む昆虫が見せる闘争行動に着目し,コオロギが個体間の局所的な相互作用を通じて,自律的な個体の行動がどのように集団全体の振る舞いに秩序を創発するかを明らかにすることを目的とした本研究の目的の達成に向けて,研究を行った.まず,ロボットでの闘争行動への介入について,昨年度構築した実験システムを改良して実験を行った.構築したシステムは,市販の小型ロボットToioとPythonを用いることで,拡張性を十分もたせたシステムとした.リアルタイムでの画像処理も行えるようになっており,コオロギ間あるいはコオロギーロボット間の距離もリアルタイムで取得できる.構築したロボットシステムを用いて闘争行動への介入実験を行った.その結果,小型ロボットにて,闘争行動に介入できることを確認した.特に,まずコオロギ同士に闘争を行わせ勝負をつけさせた上で,ロボットと負けたコオロギを闘争させることで,その負けたコオロギの行動を変容させることを安定して行うことが可能となった. 一方,コオロギの闘争行動は,非常に素早い動きである.相手がどのような体勢かを認知し,その状態に応じた動きで有効な攻撃をしかける.この運動様式を解析するため,高速度カメラを使って闘争行動を撮影し,勝者となる個体の運動解析を行なった.その結果,コオロギは攻撃個体は,相手を突き上げるようにジャンプしながら弾き飛ばす動きをすることがわかった.この実験から,敗者がどのような刺激を近くすることで,攻撃を中止し,撤退するのかについての知見が得られた.このことから,勝者と敗者における,闘争経験に応じた社会的な距離が形成される生理学的なメカニズムについての重要な知見も得られた.
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Research Products
(5 results)