2023 Fiscal Year Annual Research Report
クロスモーダル効果による風感覚提示基盤の構築と風知覚機序の解明
Project/Area Number |
22K19805
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
割澤 伸一 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (20262321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伴 祐樹 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 特任講師 (20789391)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | クロスモーダル効果 / バーチャルリアリティ / 風覚ディスプレイ / 風速知覚 / 風温知覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
VR 映像を用い,腕部に対し実際の風と同方向または逆方向に力錯覚を生起させ、力錯覚の生起のために実際の腕と映像中で表示された腕の移動量の比(C/D 比) を操作した。実験の結果、視聴覚刺激によって触力覚錯覚を生起させる現象であるpseudo-haptics を利用して風速知覚を変化させることが可能であることを確認した。
強風による衣服の振動を再現する装置WearSwayを開発し、これを用いて風速知覚と風の範囲の知覚を変化させ、弱い風を強風のように感じさせる手法を構築し、検証実験を実施した。具体的には、実際より強い風が知覚される風速知覚変化が実現されていないことから、強風の中で衣服が揺れる現象を再現した触覚刺激や視覚刺激を提示する手法を提案し、その効果を検証するため2つの実験を行った。まず、衣服の振動によって弱い風が風速10m/s超の強風のように知覚されることや、風の範囲が実際の送風範囲より広がって知覚されることを明らかにした。また、アバタの衣服が揺れるVR映像には風速知覚や風の範囲の知覚を変化させる効果はないものの、臨場感を高める効果があることを明らかにした。
物体やアバタの色を変更することによって風温知覚を変化させ、実際より温かい風や冷たい風の体験を実現する手法を構築し、検証実験を実施した。具体的には、物体やアバタの色が変化することによって風温知覚が影響されるかどうかを検証し、青色の視覚刺激によって常温風の風温が低く、赤色の視覚刺激によって温風の風温が高く知覚される効果を示した。また、常温の風と赤色、温風と青色など、実際の風温と映像の温度イメージが不一致の条件では風温知覚の有意な変化がみられないことも明らかにした。
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