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2023 Fiscal Year Research-status Report

AIを活用した水道使用量からの社会的価値の高いビッグデータ創出

Research Project

Project/Area Number 22K19827
Research InstitutionHitotsubashi University

Principal Investigator

大瀧 友里奈  一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (50422382)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 大塚 玲  情報セキュリティ大学院大学, その他の研究科, 教授 (50415650)
中田 亮太郎  一橋大学, 情報基盤センター, 講師 (10943566)
Project Period (FY) 2022-06-30 – 2025-03-31
Keywords水道使用量 / ディスアグリゲーション / AI / 行動別水使用量 / ビッグデータ
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、AIを活用し、家庭での全水道使用量を行動別水使用量に分解する(以下、ディスアグリゲーションとする)技術を開発し、生活者の行動(入浴、炊事、トイレ等)を把握することができるビッグデータを創出することを目的としている。ディスアグリゲーションの目的は、生活者の行動を把握することにより、病気の発見、高度な見守り、サルコペニア予防、フレイル予防、防災等に役立てることである。
機械学習によるディスアグリゲーション手法の開発については、電力量の時系列データから用途毎の波形に分解する問題に対するソリューションを水使用量データに活用する可能性について検討し、一定の成果を得ることができた。また、一秒あたりの水使用量データの取得という制約を乗り越えるため、GANを活用することも試みて、一定の成果をあげることができた。しかし、水使用量データの粒度を一秒から5秒、10秒、1分、と荒くしていく際に、精度の著しい低下がみられ、一般的に水道スマートメータから得ることができる1時間当たりの水使用量データまで粒度をあげることは大きな課題となっている。
そこで、行動別水使用量のビッグデータの活用について、必要となる解析やデータの種類について再検討した結果、ディスアグリゲーションだけでなく、クラスタリングによる一次スクリーニングや、水使用行動の変化の発見が最終的なビッグデータの利活用に結び付くことから、併せて検討を行った。また一秒あたりの水使用量だけでなく、1時間当たりの水使用量データからの解析も進めた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

機械学習については、水の使い方の個人差、家庭差が非常に大きいため、過学習しやすく、想定する精度が出てこないという問題の解決に時間を要した。また、1秒データから、5秒→10秒→20秒→30秒と粒度を粗くしていくことを目標としているが、粒度に対して指数関数的に精度が落ちていくという問題に直面した。
そこで、本来水道使用量を活用する際にどのような要素が必要であるかを再度考察し、ディスアグリゲーションだけを目標とするのではなく、一般的な水使用パターンをK-shapeクラスタリングにより抽出すること、また、変化を検知すること、を目標に据えて研究を進めている。

Strategy for Future Research Activity

機械学習によるディスアグリゲーション手法の開発については、電気使用のディスアグリゲーションに実績のあるtorch-nilmツールキットの活用するための解読を行う。電気の場合は絶え間ない使用があるが、水使用は断続的であるというように、データの形が異なることから、torch-nilmツールキットをそのまま適用することはできない。そのため、torch-nilmの拡張にも取り組んでいく。
また並行して、ディスアグリゲーションが1時間という粒度の水使用データに適用することができなかった際の代替手段の検討も進めていく。具体的には、クラスタリングによる一次スクリーニング、変化を発見する手法、について検討を進めていく。独自取得データのみで進めていくことには限界があるため、水使用量データ(1時間値)を収集し利活用方法を具体的に検討している企業およびITを活用した介護サービス事業者と協働して、データの解析や活用を検討していく。

Causes of Carryover

機械学習によるディスアグリゲーションにおいて、水使用量データの粒度を1秒から5秒、と粗くしていくにあたり、精度が指数関数的に落ちていってしまう問題を解決することが難しく、研究遂行に想定以上に時間を要した。現実社会で得ることができる水使用量データは水道スマートメータからのデータであるが、一般的には1時間当たりの水使用量となるため、現在の検討方法では、1時間の粒度まで粗くしていくことには限界があることが明らかになった。
そこで、研究計画の見直しを行い、水使用量データの利活用先が必要とするアウトプットを検討した結果、ディスアグリゲーションでなくとも、クラスタリングによるスクリーニングや、変化の発見、によっても実現が可能であることを確認した。
そのため、水道スマートメータからのデータを収集している水道メータ企業からのデータ提供を受け、また利活用先の一つとして想定される介護事業者との連携をとることにより、水使用量データの利活用と社会実装に向けた取り組みを進めていく。
次年度使用額については、令和6年度助成金とあわせて、データ解析および研究成果発表(オープンジャーナルへの投稿)に使用する予定である。

URL: 

Published: 2024-12-25  

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