2022 Fiscal Year Research-status Report
複数の要因を考慮した深層学習による日常の睡眠の質推定と要因分析
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22K19832
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福井 健一 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (80418772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 隆史 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (50367520)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | 睡眠音 / 深層学習 / マルチモーダル / ドメイン適応 / 要因分析 / 睡眠の質評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,非接触かつ簡便な計測が可能な「睡眠中の音響」を基に,個人差や環境差など,睡眠に影響を及ぼす複数の要因を同時に考慮して日常の「睡眠の質」を推定する深層学習モデルを開発することを目的としている.現状のウェアラブルデバイスでは日常の睡眠の質を適切に評価できていない.睡眠音には睡眠を特徴付ける様々な生体活動(いびき,歯ぎしり,体動等)や周囲の環境音など多様な情報が含まれるため,従来のウェアラブルデバイスでは困難であった総合的な睡眠評価が可能になる.さらに身体・環境などの要因分析ができれば,睡眠の評価に留まらず改善案の提示や,快適な睡眠環境の制御との連携につながる. 本年度は,1.これまで収集してきた自宅環境における睡眠データの拡充,2.音特徴の個人差・環境差の低減法の論文化,3.身体・環境要因を加味したマルチモーダル深層学習モデルに関して研究を行った.1.自宅環境の睡眠実験について,本年度は新たに13名(30代,40代)の被験者実験を行った.2.これまで研究を行ってきたドメイン適応を用いた音特徴の個人差・環境差の低減法に関して,ハイパーパラメータの影響に関する追加実験を行い,現在,国際ジャーナルに投稿中である.3.因子選択機能を持つマルチモーダル深層学習モデルを2種類考案した.100名以上(20代から60代)・各1ヶ月間の自宅環境における睡眠データを用いた検証実験から,音による睡眠パターンの重要性に加えて,身体・環境特徴により睡眠の良否判別精度の向上の確認と共に,年代毎に特徴的な要因があることが確認された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.睡眠実験については十分な人数の実験を行いデータセットに追加できた.2.音特徴の個人差・環境差の低減に関しては,論文の改訂,追加実験を行い再投稿を行い,現在査読中であるが採録見込みであるため概ね順調である.3.マルチモーダル深層学習モデルについて,モデルの考案ならびに初期的な実験を行い一定の成果が得られている.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,音特徴の個人差・環境差の低減に関する論文の採録を目指す.また,マルチモーダル深層学習モデルに関してハイパーパラメータに関する追加実験を行い研究成果をまとめ,主要な査読あり国際会議での採録,もしくは国際ジャーナル論文化を目指す.そして,深層学習によって示唆された身体・環境の重要因子について,生理学データベースと照らし合わせてその妥当性を検証する.
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Causes of Carryover |
本年度はマルチモーダル深層学習のモデル構築に時間を要したため,大規模な検証実験は次年度に持ち越しとなった.そのため,当初初年度に予定していた深層学習用GPUサーバの導入を次年度行う.次年度の予算と併せて最新のGPUサーバを1台導入する.
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Research Products
(6 results)