2023 Fiscal Year Research-status Report
環北極域における超高頻度衛星観測データの創出による陸面劇的変動の早期高精度検出
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22K19842
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
市井 和仁 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 教授 (50345865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小槻 峻司 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 教授 (90729229)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | リモートセンシング / 地表面温度 / 高頻度観測 / 日変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
Terra衛星、Aqua衛星搭載MODISセンサ、SNPP衛星搭載VIIRSセンサの地表面温度を用いて、昨年度試作した北半球高緯度域における地表面温度の日内変化データの構築手法について精緻化を行った。昨年度と同様に北緯60度付近では一日に12回程度、北緯70度付近では一日に20回以上の観測を得ることができた。その一方で、3つのセンサの観測時間と大きく異なる夜明け・日没の時間帯については、データを得ることができないことが明らかになった。そのため、夜明け・日没の時間帯を観測できる衛星・センサの調査を行った。
その過程で、夜明けの夕暮れの時間帯に観測時間を持つ中国のFY-3E衛星搭載MERSI-LLセンサデータが有効であることを発見した。ただ、FY-3E MERSI-LLについては、2021年に打ち上げられた新しいセンサであり、地表面温度データを本グループで構築する必要があった。そこで温度ー放射率分離法に基づき、地表面温度・地表面放射率の両方を同時に算出するアルゴリズムを組込み、FY-3E MERSI-LLセンサデータに適用し、地表面温度を推定した。このデータを加えることにより、特に夜明け・日没の両方の時間帯に有効な地表面温度の観測を得ることができた。このデータセットは、地表面温度の日内変化を推定するのに強力であることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの進捗は当初の予定通りであり、上記の自己評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに構築した地表面温度データセットについて、陸面変動のモニタリングに適用し、陸面変動の観測を試みる。例えば、異常高温を示した2020年の春から夏のシベリア北部、2018年の夏の欧州などの異常気象とされる時期に着目し、陸域変動モニタリングへと応用する。地上タワー観測ネットワークデータを準備し、得られた地表面温度の変化と地上観測の関係を解釈する。これらの成果をとりまとめ学術論文として出版を目指す。
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Causes of Carryover |
本年度は、コロナ禍に加えて円高であったために、当初想定していた計算機・ストレージの入手が非常に困難で納期に想定以上の時間を要することとなり、計算機関連の調達を見送らざるを得なかった。また、人件費については、適切な人材を見つけることができなかった。これらの次年度使用額については、状況の改善によって、機器を導入する予定である。
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Research Products
(3 results)