2022 Fiscal Year Research-status Report
A new concept of nutrient cycle for the conservation of intertidal seagrass-seaweed meadows: Is the major source terrestrial or recycled?
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22K19869
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
齋藤 光代 広島大学, 先進理工系科学研究科(総), 准教授 (20512718)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野寺 真一 広島大学, 先進理工系科学研究科(総), 教授 (50304366)
石田 卓也 広島大学, 先進理工系科学研究科(総), 助教 (70759571)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 潮間帯 / 藻場 / 栄養塩供給 / 陸由来 / 再生産 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,「藻場にとって重要な栄養塩供給は陸由来か再生産か?」を明らかにするため,双方の経路によって供給される「リン酸態リン(PO4-P)」に着目し,(1)リン酸の酸素安定同位体比(δ18O(PO4))を用いて潮間帯へ供給されるPO4-Pの起源(陸域由来のリン:New-P,潮間帯で再生産されるリン:Rec-P)を分離・同定するとともに,(2)New-PおよびRec-Pの供給フラックスを推定し,(3)海草・海藻類が取り込むPO4-Pを起源別に明らかにすることを試みる. 1年目である2022年度は,申請者らによる長期の現地調査実績があり,藻場が広く 分布する瀬戸内海の島嶼(広島県尾道市生口島)の潮間帯を対象とし,以下のとおり実施した. (1)潮間帯に供給されるPO4-Pの起源同定:現地の海水および堆積物中に含まれる陸由来リン(New-P)のエンドメンバーとして潮間帯に流入する地下水を,また,再生産リン(Rec-P)については堆積物中の間隙水を採取し,申請者が開発した独自の手法を用いてそれらに含まれるリン酸態リン(PO4-P)を回収するとともに,リン酸酸素安定同位体比(δ18O(PO4))の測定を行い,手法の適用性を確認した. (2)潮間帯へのNew-PおよびRec-Pの供給フラックス推定:ピエゾメーターおよびマルチトレーサー(塩分,水温など)を用いた現地での観測を実施し,潮間帯への淡水性海底湧水および再循環海水の各フラックスを推定した. (3)潮間帯藻場の起源別PO4-P取り込み量推定:海草・海藻類の繁茂期(夏季)に対象とする潮間帯における分布状況および個体サイズの測定を行うとともに,種類別にサンプリングを行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現地での試料採取および採取した試料の分析については進行中であるが,おおむね計画通りに進捗している.
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Strategy for Future Research Activity |
対象とする潮間帯近傍において,種類および時期の異なる試料(海水,地下水,河川水,間隙水,海草・海藻類,堆積物)を採取し,解析に必要なリン酸態リン(PO4-P)およびリン酸の酸素安定同位体比(δ18O(PO4))の分析データを蓄積していく. また,流域地下水流出モデル解析についても,対象地域における適用準備を進めていく.
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Causes of Carryover |
現地での試料採取および分析計画に一部変更が生じたことにより,次年度使用額が生じた.次年度には,対象とする潮間帯近傍において,種類および時期の異なる試料(海水,地下水,河川水,間隙水,海草・海藻類,堆積物)を採取し,解析に必要なリン酸態リン(PO4-P)およびリン酸の酸素安定同位体比(δ18O(PO4))の分析データを蓄積していく.
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Research Products
(30 results)