2022 Fiscal Year Research-status Report
Integrated Research on Local Renewable Energy from Historical, Social and Economical Perspectives
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22K19873
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
増原 直樹 兵庫県立大学, 環境人間学部, 准教授 (30597802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌谷 かおる 立命館大学, 食マネジメント学部, 准教授 (20532899)
中嶌 一憲 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (70507699)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 兵庫県神河町 / 小水力発電 / 電気事業要覧 / 水位・流量曲線 |
Outline of Annual Research Achievements |
はじめに本研究の体制として,研究代表者が統括する社会班の他,歴史班,経済班を立上げ,各班の研究計画を確認した。 【社会班】2022年度は,まず地元住民との協力体制づくりが先行した兵庫県神河町において,以前に小水力発電所(200W級)が立地していた越知川流域を対象として,住民による継続的な流量測定(月2~3回)のしくみを構築した。併せて,機械式の水位測定を2022年10月末から開始し,年度内に2回,機械式水位測定のデータ(ロガー)を引上げ,半年程度にわたり問題なく作動していることを確認した。それらの結果を用いて,河川の水位(H)-流量(Q)曲線を作図し,水位から流量を推定する数式の準備をおこなった。さらに,流域の営農組合代表者や漁協関係者などを対象として越知川の水の使い方や昔と比較した現在の問題点などについて聞取り調査を実施した。 【歴史班】2022年度は、明治から大正期の電気事業の全国的な動向を知るための資料の所在確認と,具体的な当時の状況についてデータ化し,電気事業の濫觴を把握することに努めた。具体的には,逓信省電気局編集『電気事業要覧』のうち,国立国会図書館デジタルコレクションにて全ページ公開されているものを抽出し,明治期から大正期にかけて,全国で開始・運営された発電事業の種類・規模・所在地のデータ化に着手した。電子アーカイブでは,解像度の悪さや当時の印刷技術に関わる紙資料自体の劣化もあり,全ての要覧をもとにデータ化していくには時間を要する。そこで今年度は,試行的に1922年に2度発行されたもののうち『第14回電気事業要覧』を素材として必要項目を抽出し,データベース化を行った。 【経済班】 2023年度以降の本格的な経済評価に向けて,関連文献や参考事例の調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度として必要な研究体制の構築をおこない,また地元との協力体制整備とその進捗に応じた研究フィールドの絞り込みが実施できた。また,上述のように社会班と歴史班を中心に着実な研究の進展があり,2023年度には学会発表等も予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
社会班では,神河町越知川流域において引き続いて流量観測を実施し,最低1年間以上の水位(H)-流量(Q)曲線の作図を基に,現在の越知川において取水可能な水量に関する検討を進める。また,神河町役場の担当者等を対象とするヒアリング調査を継続し,現在以上の地元住民の参加を呼び掛けるとともに,越知川流域での生物調査など発電のための取水の影響を受けると思われる環境要素について事前のアセスメントを実施する。また,研究フィールドの追加についても検討する。 歴史班では,2022年度に得られたデータを基に,まず兵庫県を含む近畿地方から『電気事業要覧』をさかのぼって解析する時系列分析を実施する。 経済班では,神河町等における発電事業の経済評価の本格化に向けて,参考となる近隣地域における再生可能エネルギー事業者等に対する聞取り調査を実施する。
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Causes of Carryover |
【理由】 コロナ禍が終息せず、研究計画に例示していた奈良県東吉野村、神奈川県小田原市、東京都八王子市等の遠方への調査が実現せず概ね兵庫県内におけるフィールド調査に終始したため、主に旅費について次年度使用額が生じた。 【使用計画】 フィールド調査の回数を増加させるとともに、研究代表者・分担者が所属する学会における口頭(ポスター)発表をおこない、研究成果の発信を加速させる予定である。
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Research Products
(1 results)