2023 Fiscal Year Research-status Report
超有機体の移送に関わる危機意識-雷鳥の野生復帰が生息域微生物相に及ぼす影響評価
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22K19878
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
土田 さやか 中部大学, 応用生物学部, 講師 (40734687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松林 誠 大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 教授 (00321076)
牛田 一成 中部大学, 応用生物学部, 教授 (50183017)
橋戸 南美 (鈴木南美) 中部大学, 応用生物学部, 日本学術振興会特別研究員 (60772118)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | ニホンライチョウ / 野生復帰 / 微生物汚染評価 / 薬剤耐性 / 緑膿菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
希少動物の野生復帰もしくは再導入の際に、周辺環境への影響を考慮に入れる必要があるが、環境要素として調査されるのは動植物など目に見える生態系に終始 しており、目に見えない微生物相は対象とされてこなかった。本年度の研究では、本研究対象であるニホンライチョウの飼育個体から継続して緑膿菌 (Pseudomonas aeruginosa)の分離を行なった。昨年度は1個体からの分離であったが、本年度は10個体からの分離を実施した結果、およそ80株の緑膿菌株を得た。加えて昨年度採取した菌株も併せて緑膿菌株の遺伝解析を実施し、飼育施設によって遺伝型が異なる可能性があるという結果を得た。緑膿菌の薬剤耐性試験に関しては、採取した株を順次試験中であるため、汚染の指標になりうる抗生物質種の選抜に関しては次年度も継続して行っていく。消化管原虫に関しては、DNA抽出に足りる原虫数を継続して野生下より採取している段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度に新型コロナウイルス感染症の流行のため野生個体の調査が実施できなかったため、野生個体由来の緑膿菌および原虫のサンプル数が不足している。特に原虫は培養に生きた個体を要するため、できる限り野生個体糞便をあつめる必要があるが、その数が不足しておりDNA解析を実施できるに至っていない。次年度もできる限り野生由来サンプルの採取を行い、遺伝子解析に足る試料の確保に努める。
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Strategy for Future Research Activity |
できる限り野生由来サンプルの採取を行い、遺伝子解析に足る試料の確保に努める。野生由来細菌および原虫を用いて、これまで採取した飼育由来微生物との遺伝型の違いや薬剤耐性プロファイルの異同を明らかにする。この研究結果を総合して、微生物汚染の評価指標になる薬剤耐性や遺伝型を提案する。
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Causes of Carryover |
初年度に新型コロナウイルス感染症の流行によって野外調査に遅れが出たため、研究に必要な野生由来の試料が集まっておらず、継続して実施する野外調査のための旅費や野生個体由来微生物を用いた実験に使用する消耗品費を次年度使用額として計上するため。
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