2023 Fiscal Year Annual Research Report
Ultra-high efficient proliferation of corals starting from bailed-out polyps
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22K19879
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
上田 正人 関西大学, 化学生命工学部, 教授 (40362660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
目崎 拓真 公益財団法人黒潮生物研究所, 研究部局, 研究所長 (20840482)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | ポリプ / ストレス忌避反応 / チタン |
Outline of Annual Research Achievements |
ポリプの基盤密着に及ぼす外場の影響:単離ポリプを播種後,静置すると2.5-3 h程度から弱いが基盤密着が始まる。触手を伸ばすことができるまでには24-48 h程度必要であることがわかった。チタン基盤にポリプを播種し,水槽中で3 h静置した後,水深5 m程度の海底に設置した。約24 h後には剥離していたので,単離ポリプの基盤固定段階で水流を負荷することは好ましくないと判断した。なお,穏やかな海況での水流(往復)は最大30 mm/s程度であり,それは人がその流れを感じることができない程度である。ポリプの基盤密着性を評価するため,約 60-170 mm/sの一方向の水流をサンプルに与える装置を構築した。純チタン基盤にポリプを播種し,48 h以上静置した後,約120 mm/sの一方向水流を与えたところ60 min程度,密着状態を維持できた。 アザミサンゴのポリプと骨格莢部分を純チタン板に固定し,約1ヶ月水槽中で飼育することでポリプを板表面に拡張させた。電圧1 Vを負荷すると60 min後からポリプの収縮が始まった。従来の塩分濃度調整によるポリプ単離が困難な種類においても,ベイルアウトを誘発できる可能性が示唆された。 ポリプが収まっている莢状のcoralliteの深さ,直径が大きくなるほど,またそれらの間隔が狭くなるほど,塩分濃度上昇によるポリプベイルアウトが誘発されやすい傾向が認められた。同手法の適用が難しい種類においても,チタンと電圧印加を利用すれば,ポリプを単離できる可能性が高い。バラエティに富んだサンゴ種に対して,ポリプを起点としたサンゴ増殖が適用可能であることを示すことができた。数cmのサンゴ断片から200-300個以上のポリプが採取できることから,高効率でサンゴの増殖起点をつくりだすことが可能であることを実験的に示すことができた。
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