2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of artificial exosomes containing proteins toward cancer genome editing
Project/Area Number |
22K19920
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
麓 伸太郎 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 准教授 (70380988)
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Project Period (FY) |
2023-03-27 – 2025-03-31
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Keywords | ドラッグデリバリーシステム / エクソソーム / 脂質ナノ粒子 / ゲノム編集 |
Outline of Annual Research Achievements |
エクソソームは効率的な天然のデリバリーキャリアとして期待されている。しかし細胞から分泌されるエクソソームは、不均一で精製するのは容易ではなく、微量で大量精製法も未確立である。本研究では、均質で大量生産可能な人工エクソソーム製造法を開発する。 エクソソームには、核酸やタンパク質が内包されている。これまでに代表者は、アルコール注入法を基盤にエクソソームの脂質組成からなる脂質ナノ粒子を調製し、プロタミン硫酸を利用してプラスミドDNAを搭載したエクソソーム模倣脂質ナノ粒子により高い遺伝子発現効率を得ている。本研究ではタンパク質をエクソソーム模倣脂質ナノ粒子に搭載することで人工エクソソームと呼べる核酸・タンパク質デリバリーキャリアを開発することを目的とした。 まず、プラスミドDNAと同様にプロタミン硫酸を用いて、モデルタンパク質であるウシ血清アルブミンを用いて、エクソソームの脂質組成の粒子に内包できるかどうかを検討したが、うまく行かなかった。代表者は、一方でカチオン性脂質・タンパク質・炭酸カルシウムからなるナノ粒子の調製に成功している。エクソソームの脂質はアニオン性および中性脂質からなるが、炭酸カルシウムを用いることで、アルブミンをテンプレートにして炭酸カルシウムコアを形成させ、ナノ粒子に内包できるのではないかと想起した。実際に検討したところ、粒子径100 nm程度、PDI 0.2程度のアルブミン搭載人工エクソソームを調製できた。電気泳動によりアルブミンが内包されることも確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画とは異なるが、炭酸カルシウムコアを形成される戦略でエクソソームの脂質組成のナノ粒子にモデルタンパク質アルブミンを内包することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
2年度目では、モデルタンパク質アルブミンの代わりにCas9とガイドRNAからなるRNPを内包した人工エクソソームを調製し、ゲノム編集効率を評価する。
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Causes of Carryover |
次年度使用が生じた理由として、年度末の出張が年度を跨ぎ、次年度の経費からの支出となったことが大きい。 次年度の使用計画については、当該出張経費および細胞培養実験で使用する培地などの購入に充てる予定である。
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