2022 Fiscal Year Research-status Report
Ryukyuan religious songs as a language resource: focusing on the Okinawan archipelago
Project/Area Number |
22K19995
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 言語資源 / 琉球諸語 / 沖縄語 / 神歌 / 伝統行事 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は琉球列島の伝統行事において琉球諸語で謡われる「神歌」のコーパスを構築し、言語資源として活用してみます。さらに、地域の方向けに、分かりやすい表記の神歌のテキストも作成します。 神歌に関しては多くの課題があります。例えば、琉球で権威の高い首里の方言は神歌でどのように使われていたか、現代沖縄語でなくなった特徴が見られるのか、または各地域特有の語彙にはどんなものが使われるかなど、言語接触、歴史言語学、言語人類学などに関わる課題があります。 本年度中にデータベースのオンライン公開のためのウエブアプリを業者に開発してもらい、簡単なデモ版を研究大会で見せました。(「琉球の神歌コーパス作成について」DHフェス2023, オンライン)今後、開発とデータベースの構築を進め、他の国内外の学会で紹介する予定です。 このプロジェクトを進めることによって、琉球列島の言語の記録のための資源を集成し、それらの研究を促します。そして言語とともに危機にある神歌の継承そのものに役立つ可能性があります。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プロジェクトの執行は予定通りのペースで順調に進んでいると言えます。本プロジェクト実行のために設定していた最初の段階の目標は以下の2つでした。
1)文献の収集 2)データベースのウエブ公開のためのウエブアプリの開発の依頼
現時点では、データベース構築に必要な文献を十分集めましたと言えます。ウエブアプリに関しては、業者に依頼し、本プロジェクトのデータベースをオンライン公開できるためのウエブアプリを開発してもらいました。動作テストも行い、オンライン研究大会でデモ版を見せた。参加していた研究者から貴重な指摘を受け、以降の改善に活かせる予定です。
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Strategy for Future Research Activity |
今まで文献の収集、ウエブアプリの開発でプロジェクトを進めてきました。今後の計画として、集めた文献を電子化します。そして、必要に応じて現地調査を行い、音声の収集、さらなる文献調査を進める予定です。同時に、方言テキストの表記方法の開発も進めます。データベースの公開に関しては、年末までにモニター版の公開を目指しています。本プロジェクトのもう一つの目的は構築したデータベースの言語資源としての活用です。その可能性を示すため、データベースに収録されていくデータを分析し、ケーススタディーとして学会で紹介する予定です。予定している学会として日本言語学会や日本語学会のような言語学系の学会の研究大会などだけではなく、言語資源系の研究大会での紹介も予定しています。
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Causes of Carryover |
年度中に文献の収集とアプリ開発の依頼だけに集中しており、コロナなどのリスクもまだあると考えており、予測していた現地調査にいかなかった。そのため、次年度使用額が生じた。前年度に使わなかった額を現地調査に行くために旅費として次年度使用する予定です。一部はプロジェクトの執行のために必要な機材(パソコン、録音機など)。
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