2022 Fiscal Year Research-status Report
消滅の危機に瀕した韓国高年層の残存日本語テキストの作成と記述的研究
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22K20006
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Research Institution | Aichi Shukutoku University |
Principal Investigator |
金 昴京 愛知淑徳大学, 交流文化学部, 助教 (10632309)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 残存日本語 / 危機言語 / 韓国 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、韓国高年層の用いる残存日本語が消滅の危機に瀕した第二言語であるとの考えのもとに、テキストの作成を行い、そのうえでどのような特徴がみられるのか、また、どのように維持されているのかという実態を描こうとするものである。 2022年度は韓国・ソウル及びその近郊で現地調査を行い、3名の調査協力者の談話データを収集することができた。本研究の対象である韓国における残存日本語の話者は、2022年現在、80代後半以上の高齢に差し掛かっており、至急データを収集すべき状況にある。さらに、新型コロナウィルス感染症の影響から、高齢者である研究協力者に談話調査を依頼することは難しい状況であることを考えると、今回得られた談話データは非常に貴重なものであるということができる。 他にも、現地調査をとおして、日本統治時代の韓国における、学校教育、日本語教育、言語使用状況などに関する文献や資料、また韓国における第二次世界大戦後の言語政策(國語醇化運動など)や残存日本語に関する先行研究をを収集することができた。 以上は、現地調査に関する成果であるが、テキスト作成のための作業も進めている。まずは、現地調査で収集した談話データ(音声)のテキスト化に着手した。 このほか、学会に参加しテキストの分析に必要な最新の言語学の動向について資料を収集することができた。 以上のように、2022年度はテキスト作成のための各種データ収集を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現地調査を通して談話データを収集し、テキスト化を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、2度の現地調査を通して、追加の調査協力者に対してテキスト作成のための談話データの収集を行うとともに、データのテキスト化、及び分析を進める。テキスト化の効率を上げるため、アルバイトの雇用を検討している。また、研究成果をまとめ、学会発表や論文の執筆を行いたい。
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Causes of Carryover |
2022年度は、新型コロナウィルス感染症の影響により、当初の計画よりも現地調査の回数を減らして行った。2023年度は2度の現地調査を予定しており、旅費及び調査協力者への謝金として使用する予定である。また、テキスト化の効率化のため、アルバイトの雇用を検討している。また、研究成果をまとめた学会発表を行う際の旅費として使用したい。
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