2023 Fiscal Year Research-status Report
消滅の危機に瀕した韓国高年層の残存日本語テキストの作成と記述的研究
Project/Area Number |
22K20006
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Research Institution | Aichi Shukutoku University |
Principal Investigator |
金 昴京 愛知淑徳大学, 交流文化学部, 助教 (10632309)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 残存日本語 / 危機言語 / 韓国 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、韓国高年層の用いる日本語が消滅の危機にあるという意識のもと、まずは基礎データとなるテキストを作成しようとするものである。 2023年度は、1月から2月にかけて韓国ソウル及びその近郊にて残存日本語テキスト作成のための現地調査を行った。この調査では、新規の調査協力者が見つかったため、計4名の協力を得て、残存日本語話者と日本語母語話者との談話データを収録することができた。 収録した談話データは、残存日本語の談話テキストの作成に向けて文字化作業を行い、音声面の特徴や文法について記述作業を進めた。 研究業績として、2022年度に行った調査で得られたデータを用いて作成した談話テキストの一部を、本研究の成果として愛知淑徳大学論集―交流文化学部篇―第14号にて「ある韓国高年層の残存日本語テキスト」というタイトルで公開した。 また、作成した談話テキストを用いて韓国高年層の残存日本語に現れる韓国語の影響についてまとめ、「Influence of Korean on the remnant Japanese language」というタイトルで 31st Japanese/Korean Linguistics Conferenceに応募し発表が決定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで韓国ソウル及びその近郊にて現地調査を行い、調査協力者の協力を得て、日本語母語話者と残存日本語話者との談話データを収録することができた。収集した音声データは、残存日本語の談話テキスト作成に向けて、文字化作業を行い、音声面の特徴や文法についても記述作業を進めた。 研究業績として、2022年度に行った調査で得られたデータを用いて作成した談話テキストの一部を、本研究の成果として大学の紀要で公開しているほか、2024年11月に31st Japanese/Korean Linguistics Conferenceでの発表が決定している。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、1度の現地調査を通して、追加の調査協力者に対してテキスト作成のための談話データの収集を行うとともに、引き続き談話データを用いたテキスト作成、及び分析と記述を進める。また、11月に31st Japanese/Korean Linguistics Conferenceでの発表が決定しているほか、研究成果の分析作業を進め、さらに学会発表や論文の執筆を行いたい。
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Causes of Carryover |
当初2度の現地調査を予定していたが、調査の機会が確保できず、1度にとどまったため、次年度使用額が生じた。2024年度に現地調査を予定しており、その際の旅費及び調査協力者への謝金として使用する予定である。また、テキスト作成の効率化のため、アルバイトの雇用も検討している他、11月に行われる31st Japanese/Korean Linguistics Conferenceでの発表が決定しており、その際の旅費として使用したい。
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