2023 Fiscal Year Annual Research Report
周辺部におけるスペイン語呼びかけ表現に関する語用論的研究
Project/Area Number |
22K20027
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
野村 明衣 九州大学, 言語文化研究院, 助教 (00962854)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | スペイン語 / 談話標識 / 呼びかけ表現 / 文法化 / 語用論 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は動詞の命令形式oye, mira, escuchaの語用論的機能とその派生的用法、その教育法について、また疑問形式sabes, entiendes, comprendesの語用論的機能を考察し以下の成果を上げた。 前年度に分析した命令形式の語彙的意味による機能差に関して論文を執筆し、メキシコ国立自治大学の研究雑誌 Estudios de Linguistica Aplicadaに投稿、2024年度7月に出版予定である。また、その待遇表現であるoiga, mire, escucheの文法化の程度を分析した。命令形式の呼びかけ表現の文法化の特徴に、複数の聞き手や敬称表現を用いる聞き手(usted)に対して二人称単数形を用いるというものがある。3形式がどの程度許容されるかを母語話者にアンケート調査を行い、その結果を6月にスペイン・カディス大学で開催されたスペイン語・ポルトガル語圏の待遇表現に関する国際学会(IV CFFT)で発表した。その一部には、日本語の「聞き手めあて性」を通してhombreの機能を解明した野村(2018)の研究成果を援用した考察を含んでいる。さらに、日本人のスペイン語学習者へのoye, miraの教授法の提案と、九州大学の学生を対象に実施した実践報告を、8月にスペイン・ブルゴス大学で開催された、スペイン語教育では最大規模の学会ASELEで発表し、その内容をまとめた論文が同学会誌に掲載予定である。 疑問形式についてはsabes, entiendes, comprendesの言い換え調査の結果をフランス語学会談話会「フランス語・スペイン語・日本語からみる間投詞のヴァリエーション」で発表、また先行研究で詳述されていないentiendes, comprendesの語用論的機能の差を両者がとる目的語と母語話者へのアンケート調査を通して考察し、現在査読中である。
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