2023 Fiscal Year Annual Research Report
The Interpreter System in the Early Modern East Asian Region
Project/Area Number |
22K20049
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
張 子康 京都大学, スーパーグローバルコース人文社会科学系ユニット, 特定助教 (70966283)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 通事 / 仲介者 / 東アジア史 / 国際交流史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近世東アジアにおいて清朝と各国との関係において仲介者として機能した「通事」の制度的実態を解明し、その具体的な役割を検討することを目的としている。具体的には、清朝と朝貢関係にあった琉球、朝鮮、ベトナムなどの国々の事例を分析している。最終年度である本年度は、以下の2点について研究を進めた。 第一に、清-朝鮮間における「通事」について。昨年度に引き続き、朝鮮側史料である各種『燕行録』の精読とデータベース化を進めた。清-朝鮮関係における「通事」については、現在も史料精読と先行研究整理の段階にあり、分析には至っていない。 第二に、清-西洋間における「カントン通事」について。広州に所在した「カントン通事」の制度的再検討のための予備調査を開始した。①具体的には、Morrison: A Chinese Commercial Guide, Hunter: The Fan Kwae at Canton before Treaty Days 1825-1844, Morse: The Chronicles of the East India Company trading to China 1635-1834", The Chinese Repositoryといった主要一次史料の再読を行い、従来見過ごされてきた通事の制度的側面をピックアップしつつ、②福州における琉球通事の事例と比較検討を通じて、広州における通事「制度」の復元と、清朝中国における通事制度一般への還元を目指した。上記研究内容は、京都大学人文社会科学研究所共同研究班「20世紀中国史の資料的復元」において、「明清期カントン通事の制度的再検討」と題して報告された。
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