• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2023 Fiscal Year Annual Research Report

EUにおける境界線をめぐる政治力学―象徴の構築・維持・変容に関する分析

Research Project

Project/Area Number 22K20121
Research InstitutionHakuoh University

Principal Investigator

佐竹 壮一郎  白鴎大学, 法学部, 講師 (90962019)

Project Period (FY) 2022-08-31 – 2024-03-31
KeywordsEU / 欧州委員会 / 価値 / 政治参加
Outline of Annual Research Achievements

前年度を通じて、EUにおける「われわれ」の構築が「彼ら」を生み出し、自身の「揺らぎ」の一要因となっていることが確認された。しかしながら、そうした「われわれ」をどのように具体化しようとしているのかについては十分に明らかにされてこなかった。
そこで、本研究では2010年代以降欧州委員会が注力している特定層の1つである子どもに焦点を当てて分析した。EU条約では市民を年齢で区別するとは記されていないものの、子どもは大人と同じ水準では政治参加ができない。とはいえ、2021年に『子どもの権利に関するEU戦略』が欧州委員会によって提示されるなど、EUにおいて子どもは「新たな」検討対象である。それでは、EUではどのようにして約8000万人の非有権者である子どもが組み込まれてきたのか。本年度はEUにおける子どもの権利をめぐる停滞と進展について、欧州委員会とステークホルダーの関係に着目して明らかにすることを研究目的とした。研究を通じて、子どもの政治参加が2010年代に進められた一方、その主たる目的は子どもの権利を重視する大人の説得であったことが明らかにされた。また、子どもの参加による政治的インパクトがEUでは求められていないことも浮き彫りとなった。
EUでは民主主義、自由、平等といった価値に基づく「われわれ」を担う対象の策定に関する検討が2010年代に進められた。だが、現状そうした対象の参加を通じた政治的インパクトは求められていないことが本研究により示された。今後もEUではマイノリティを「発見」し、政治参加を促すことから、本研究の知見はEUによる特定層の取り込みとそのインパクトに関する研究への応用が期待される。

  • Research Products

    (5 results)

All 2024 2023

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] 子どもの参加をめぐる欧州委員会の取り組み―2006年以降の動向を中心に―2024

    • Author(s)
      佐竹壮一郎
    • Journal Title

      グローバル・ガバナンス

      Volume: 10 Pages: 106-117

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] アジェンダとしての欧州の生活様式が抱える課題―EUの「揺らぎ」をめぐって2023

    • Author(s)
      佐竹壮一郎
    • Journal Title

      白鴎法学

      Volume: 第30巻1号 Pages: 39-62

  • [Presentation] EUにおける「民主主義の赤字」の「解決策」:窓口の開設は正統性の強化に結びつくのか2024

    • Author(s)
      佐竹壮一郎
    • Organizer
      国際政治統合研究会
  • [Presentation] EUにおける境界線の様相:子どもの位置づけを手掛かりに2023

    • Author(s)
      佐竹壮一郎
    • Organizer
      グローバル・ガバナンス学会
  • [Presentation] 「欧州の生活様式」をめぐる2010年代以降の欧州委員会の動向2023

    • Author(s)
      佐竹壮一郎
    • Organizer
      国際政治統合研究会

URL: 

Published: 2024-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi