2022 Fiscal Year Research-status Report
The Role of Disclosure in Shareholder Voting
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22K20143
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
岩田 聖徳 東京理科大学, 経営学部経営学科, 助教 (20963573)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 議決権行使 / 株主総会 / ディスクロージャー / 財務会計 / コーポレート・ガバナンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,上場企業によるディスクロージャーと株主総会での議決権行使を通じた株主のガバナンスの関係について明らかにすることにある。株主の議決権行使がもたらす企業行動への含意については,株式売買の行動等に比べ証拠の蓄積が乏しい。特に,議決権行使を「情報開示」という枠組みから分析した研究は極めて少ない。本年度は,本研究に関連して,以下の進展があった。 第一に,データセットの整備である。本年度には,日本経済新聞社および議決権行使助言会社の提供する議決権行使に関するデータを購入し,データセットの整理や,記述統計・傾向の確認を行った。また,株主提案に関するデータを追加収集し,分析に活用できるよう整備した。 第二に,学会等での報告である。上記の株主提案および議決権行使に関するデータを用いて,株主提案の影響に関する実証分析(共著)を行った。この成果については,既に国際学会(査読あり)に受理されており,国内・国外で研究報告を予定している。 第三に,国際的な査読誌への論文の投稿である。日本企業を対象に,株式の流動性が現金保有行動に及ぼす影響に関する論文(共著)を執筆し,国際的な査読つき雑誌に研究プランのレポートとして投稿した。本論文については,SSRNにワーキングペーパーとして公開している。 第四に,本研究題目における研究課題の深化を行った。特定の会計情報に着目し,議決権行使や関連法規との関係性など,論点整理を行った。現在は仮説検証のためのデータセットを整備している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度においては,議決権行使に関する詳細なデータセットを整理することができた。このデータを活用した研究については既に論文化が進捗しており,国内および海外での学会報告を予定している(特に,海外学会については査読付き学会に受理されている)。 また,共著にて執筆した株式の流動性と企業の現金保有に関する論文をワーキングペーパーとして公開し,査読付き国際学術誌に投稿している。 また,本研究課題に関連する財務報告関連の変数の構築を現在行っている。研究課題の遂行に必要なデータ整備については,次年度にも追加的な努力の投入が必要となる部分もあるが,研究遂行に大きな支障をきたすものではないと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在,学会報告の段階にある研究については,学会におけるフィードバックを活かし,9月あたりには修正ののち国際的な査読付き雑誌へ投稿することを目標とする。既に査読中にある論文については,可能な限り早めの公刊に向けた改善を行う。 また,現在は本研究課題に関連する財務報告関連の変数の構築を行っているが,これは次年度にも引き続き最善の方法を検討し,分析結果が揃い次第国際学会等への応募を行う予定である。
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Causes of Carryover |
執筆中の論文の英文校正費等に関する差異(次年度の英文校正費等として支出したい)。
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