2023 Fiscal Year Annual Research Report
J-REITが取得する不動産の質がその投資口価格に与える影響に関する研究
Project/Area Number |
22K20144
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
太田 明 東京都市大学, 都市生活学部, 准教授 (10963837)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | REIT / 不動産 / 投資口価格 / 分配金 / 借入比率 / 立地 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、J-REIT(不動産投資信託)が取得する不動産に関し、15年間の長期データを用いて、①立地、②建物、③不動産の価格の3つの視点から不動産の質の分析を行い、それがJ-REITの投資口価格変動へ与える影響を分析した。 1.J-REITが保有する不動産の立地に関して、従来の都市型不動産の「駅からの距離」に加え、中心性や視認性の指標の検討を行い、特に、キャップレートに対して、中心性が重要であることを明らかにした(人工知能学会ビジネス・インフォマティクス研究会で発表)。また、J-REITが所有する物流倉庫の立地の検討を行い、港からの距離が不動産価格への影響が大きいことを明らかにした(日本不動産学会で発表)。 2.J-REITが保有する建物に関して、専門家による建物グレード分類をAI(人工知能)に置き換えた上で分析を行うことを目指し、AIによる機械学習のプログラムの作成を行った。得られたAI建物グレード評価が不動産価格に影響を与えていることを明らかにした(Asian Real Estate Societyで発表)。 3.J-REITが不動産を取得する価格に関しては、不動産を割安または割高で取得している実態を明らかにするため、その取得価格と鑑定評価の差額を分析した結果、取得先によって、その差異に特徴があることを明らかにした(Asian Real Estate Societyで発表)。 4.J-REITの投資口価格変動の要因について、増資時のJ-REITの投資口価格変動におけるイベントスタディを用いて分析を行った結果、重要な要因としては不動産に関連するものよりも分配金変動のほか、借入比率や純資産価値の変化などの増資手法の影響が大きいことが確認され、投資家が着目している視点が明らかになった。 関連研究を含め、計12件の学会発表(内、国際2件、国内10件)および審査付論文2件の投稿を行った。
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