2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K20146
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
星野 明雄 早稲田大学, 商学学術院, 准教授 (80962026)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | リスク選好 / 効用関数 / リスク・プレミアム |
Outline of Annual Research Achievements |
【当該年度の実績概要】交付申請書に記載の研究目的および研究実施計画に沿って、2022年度に以下のことを実施した。 1.調査準備 過去に実施済みの予備的研究に基づき、検討対象であるリスクの3区分フレームワークの定義の厳格化などの整備を行った。続いて、購買留保価格の調査に用いる調査票を精査し、使用テストと修正(改良)をおこった。この調査票のテストと改良は、アンケート実施委託会社(株式会社アスマーク)の協力より委託費の内法で実施した。 2.調査実施(第一回) 上記調査票を用いた第一回の調査を、上記アンケート実施会社に委託して、3月15日~20にかけて実施した。調査によるローデータに対し、異常値などのスクリーニングを行い、計画通り1000件の有効回答を得た。 3.第一回分の初期分析(記述統計) 2023年度の全調査の集計後に予定している分析作業に先立ち、第一回分について着手を行った(記述統計等の整理を行た段階であり、目標とするリスクプレミアムの算定は、本年度は未実施。) 【2023年度の計画】 ・第一回調査の集計・分析に基づき、購入者ごとのリスク・プレミアムを試算する。・その分布を解析することで、3区分ごとの市場のリスク・プレミアムを推定する。これらに基づき、区分ごとのリスク選好についての仮説(純粋リスクには強い回避選好、狭義の投機的リスクには穏やかな回避選好、射幸リスクには強い愛好選好を想定)を検証する。・上記の結果を踏まえ、必要に応じて仮説の見直しおよび調査方法の改良を行ったうえで、第二回、第三回調査を実施する。(当初計画では計4回の調査を想定したが、1回あたりの調査で十分な有効回答件数が得られることが判明したことを踏まえ、計3回に計画を修正する。)・市場のリスク・プレミアムを指標として、リスク選好の定量化を図る。・結果を報告書にまとめ、学会発表を行い、論文出版を準備する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①実施計画において予定していた調査準備を、予定通り完了した。 ②実施計画において2022年度から2023年度にかけて予定していた一連のアンケート調査のうち第一回(全体の1/3に相当)を実施し、予定通りの有効回答を得た。 ③第一回調査に基づく分析に着手した。 この①~③の進捗状況は、ほぼ計画において想定した通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
①第一回調査の集計・分析に基づき、購入者ごとのリスク・プレミアムを試算する。 ②第一回調査データにより、一次的結果としての3区分ごとの市場のリスク・プレミアムを算定し、リスク選好についての仮説(純粋リスクには強い回避選好、狭義の投機的リスクには穏やかな回避選好、射幸リスクには強い愛好選好を想定)を検証する。 ③上記結果を踏まえ、必要に応じて仮説の見直しおよび調査方法の改良を行ったうえで、第二回、第三回調査を実施する。 ④3回の調査を総合し、市場のリスク・プレミアムを指標としたリスク選好の定量化を行う。 ⑤結果を報告書にまとめ、学会発表を行い、論文出版を準備する。
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Causes of Carryover |
主たる直接経費である、調査費用(調査会社への委託費=「その他」に計上)について、予定した一連の調査の一回目を2022年度に、二回目および三回目を2023年度に実施することとした。このため、2年間の研究期間において、初年度に比べ2年度目に多くの費用が発生することになり、2022次年度使用額が生じることとなった。 2023年度に、この次年度使用額と、翌年度分としていた請求額をあわせた金額を用いて、二回目以降の調査を実施する予定である。
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