2023 Fiscal Year Research-status Report
タスク特性の観点からみた最低賃金が低賃金労働市場に与える影響の検証
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22K20150
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Research Institution | Kobe International University |
Principal Investigator |
宮 昊君 神戸国際大学, 経済学部, 講師 (70964386)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 最低賃金 / 技術進歩 / 労働需要 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、最低賃金が未熟練労働市場に与える異質な影響を明らかにするため、マクロおよびミクロデータを用い、地域別最低賃金の引上げがタスク特性別の労働需要に与える効果を検証することを目的とする。近年、情報通信技術などの新たな技術進歩が仕事における特定のタスクを代替・補完することを通じて、労働需要の変化に異質な影響を与えることが明らかにされている。日本の労働市場における急速な技術進歩と、持続的な最低賃金の上昇という事実と、資本とタスクの代替・補完関係を描写する最新の労働需要モデルの発展を踏まえて、低賃金労働者のタスク特性に応じた最低賃金の影響の異質性という、未だ国内外においてほとんど検証されていない課題を明らかにする点に意義がある。 本研究は、日本の地域別最低賃金の引上げに伴う労働費用の上昇が、タスク特性別の労働需要に与える影響を明らかにするため、職業別のタスクデータベースを用いた職業別求人や雇用の分析、並びに個人の就業状態とタスク情報を含むパネルデータを用いた雇用変動の分析を行う。 今年度は神戸大学のプロジェクトによる独自調査から収集したパネルデータを用い最低賃金の上昇が労働者の就業状態への影響について分析手法の変更を加えると同時にその他のデータを用いた関連研究の成果を公表した。また、個人レベルでのデータは短期間なため、長期にわたる産業レベルのデータでの分析に向けて、文献収集やデータの収集などを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度に公的データの申請が計画の変更によって延長した。分析手法を見直したなどが理由で必要とするデータに変更が出たことが原因である。
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Strategy for Future Research Activity |
分析手法の変更に合わせて、データの申請と加工を行い、地域別最低賃金の引上げがタスク特性別の労働需要に与える効果を産業レベルと個人レベルで検証する。
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Causes of Carryover |
研究の進捗が遅れたことで学会報告や英文校閲と投稿にかかわる費用を使用できなかったため、新年度で引き続き研究を進めて論文の執筆における校閲や学会での報告と投稿料に使用したい。
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Research Products
(3 results)