2022 Fiscal Year Research-status Report
ホスピタリティ産業の生産性向上に資する促進型マネジメントコントロールモデルの構築
Project/Area Number |
22K20171
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
児玉 麻衣子 明治大学, 経営学研究科, 特任講師 (90967192)
|
Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
|
Keywords | 管理会計 / マネジメント・コントロール ・システム / ホスピタリティ産業 / 促進型MCS / イネーブリング・コントロール |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ホスピタリティ産業の生産性向上に資するマネジメント・コントロール・システム(MCS)モデルの理論的な完成度を高めるという目的のもと、リサーチサイトであるホテル業A社およびケアハウス業B社における縦断的な量的調査と、東証上場企業を対象とした横断的な量的調査実施することを目指すものである。2022年度は、下記のとおり研究を進めた。 研究課題1「A社・B社におけるモデルの量的妥当性の検証」では,促進型MCSと従業員の心理や行動,顧客レベルの成果(顧客満足・顧客ロイヤルティ),財務成果(利益・生産性)間の縦断的分析を実施する計画である。リサーチサイトであるA社およびB社より、2022年度の従業員を対象としたアンケート調査データと顧客満足度調査データ、財務データを入手し、2021年度のデータと統合した。現在、データを解析中である。 研究課題2「東証上場企業への調査を通したモデルの一般妥当性の検証」では、東証に上場している企業に務めるマネジャーを対象とした横断的なアンケート調査を実施し、データの解析を行い、分析結果について論文を執筆中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究課題1および研究課題2を遂行するために必要なデータを収集することができた。特に、研究課題2については、上場企業全般に調査対象を拡大するために、より広範な企業に適用することができる一般的な質問票を設計した。さらに、アンケート調査の実施によって分析に必要なサンプルを収集することができただけではなく、仮説を支持する分析結果を得ることができた。ただし、本年度より講師として大学に赴任したこと、非常勤講師としての仕事が大幅に増えたことにより、予定以上に教育にエフォートを割く必要があり、計画していた通りに、成果の学会での発表ならびに学会誌や紀要への投稿をすることができなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究については、以下のとおりに推進する予定である。 ・東証上場企業の従業員データを用いて実施した促進型MCSと従業員の心理・行動への影響のメカニズムを明らかにした研究の成果について学会で報告後、論文を投稿する。 ・各社へ継続的に実施しているアンケート調査・インタビュー調査データを用いて、当該モデルの妥当性を時系列で分析する。さらに、従業員データ、顧客データ、財務データというマルチソースのデータを統合して分析する。マルチソースのデータを用いた時系列に分析することができれば,分析に係るコモンメソッドバイアスの問題を大幅に解消することができ、非常に有用な研究成果となりうる可能性が高い。
|
Causes of Carryover |
学会がオンライン開催のものが多かったため、当初予定していた学会参加にかかる旅費等が発生しなかったこと、およびアンケート調査をWebを利用したことによって、郵送による調査に比較して調査費用を抑えられたため、次年度使用額が発生した。次年度使用額については、資料収集、学会参加、追加のデータ収集に充当する。
|