2022 Fiscal Year Research-status Report
技術者の認知バイアスが技術判断に及ぼす影響に関する研究
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22K20175
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
森 良弘 同志社大学, ビジネス研究科, 教授 (00793332)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 認知バイアス / 技術経営 / 技術者 / 研究開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は技術開発プロセスとりわけ技術選択の意思決定における「人」の要素を認知バイアス(先入観や経験に起因した、直観的・非合理的な思考の偏り)の視点から解明することを目指すものである。具体的には半導体プロセス技術を事例としてとりあげ、文献調査と技術者インタビューから認知バイアスの影響を明らかにする。半導体プロセス技術を対象とするのは、この分野は技術の移り変わりが速く旧技術に関する文献や関与していた技術者を確保しやすいからである。 本研究の予算交付決定後、インタビューおよび文献調査に着手した。インタビューは半導体業界の技術者3名に対し対面で実施した。文献調査は過去の業界誌ならびに企業2社の公表データ(新製品プレスリリース、展示会発表など)を中心に行い、前記インタビュー時の質問項目作成に生かした。 また学会活動については、本研究の特徴として経営学と技術開発の両面における最新動向の調査が必要であることから、組織学会研究発表大会ならびに応用物理学会の半導体技術関連セッションに参加し情報収集を行った。さらに後者では現地で出会った技術者の中から追加のインタビュー候補者を確保でき、2023年度の実施を準備している。 本研究は着手後半年しかなかったこともあり学会で報告できる新たな成果には至っていないが、技術者の認知バイアスが新技術開発に与える影響は企業の技術開発部門の興味を引くテーマであり、企業の開発部門責任者からの個別相談を3回受けている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
インタビューおよび文献調査の件数確保が想定よりも進捗しなかったため。特に前者については人選が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでとは別の人脈ソースを活用してインタビューの人選を急ぐ。文献についてはソースは足りており分析に注力する。 次いでまとめと考察を行い、年度内の学会報告を目指す。
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Causes of Carryover |
2022年度はインタビューおよび文献調査の件数確保が想定よりも進捗せず、結果として出張旅費および文献購入費の使用実績が計画を下回った。この未実施分を2023年度に実行することで、2年間の総計として助成金を計画通り使用させていただく計画である。
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